◆JR磐越西線(福島県・新潟県)◆

◆2011年4月23日(土)、4月24日(日)、2013年6月8日(土)、6月9日(日)、2022年2月11日(金)、2023年6月10日(土)撮影
(概要)
 磐越西線は、福島県の郡山から会津若松を経由して新潟県の新津までを結ぶ、175.6kmの単線(幹線)の鉄道。会津若松駅〜新津駅間には、「森と水とロマンの鉄道」という愛称が付けられている。
 磐越西線は、郡山駅から会津若松駅までの東側を中心に関東方面、仙台方面などと福島県会津地方を結ぶ観光路線の役割を果たしており、会津若松から新津駅までの西側も蒸気機関車の牽引による列車などが運行されている。また、路線全区間で、福島県・新潟県それぞれの地域輸送も担っている。

(歴史)
 日本鉄道(上野〜青森間、現在の東北本線)の開通に伴い、郡山駅と新潟駅を会津駅経由で結ぶ鉄道の建設運動が起こった。1892年に公布された鉄道敷設法に「新潟県下新津ヨリ福島県下若松ヲ経テ白河、本宮近傍ニ至ル鉄道」として規定されたが、1896年1月20日に郡山駅〜若松駅〜新津駅を結ぶ鉄道を建設するため、岩越鉄道(がんえつてつどう)が設立された。1898(明治31)年に郡山駅〜中山宿駅間が開業し、翌1899(明治32)年には若松駅に、1904(明治37)年には喜多方駅まで開業した。

 1906(明治39)年には、鉄道国有法により岩越鉄道は買収・国有化され、官設鉄道の岩越線(がんえつせん)となった。喜多方以遠は官設線として延長され、新津側からも信越線(信越本線)の支線として順次延長された。1914(大正3)年には野沢駅〜津川駅間が開業して全通し、郡山駅〜新津駅間が岩越線となったが、1917(大正6)年に平郡線が全通して磐越東線と改称されたのと同時に磐越西線と改称された。

 なお、同線が全通した1914(大正3)年から清水トンネルの開通で上越線が全通した1931(昭和6)年までは、それまで東京から新潟へ向かう唯一のルートであった高崎線・信越本線に加えて同区間の第2ルートとされたこともあった。東北本線・磐越西線経由のルートには碓氷峠のような難所がなかったこともあり、1930(昭和5)年10月のダイヤ改正時には上野駅から信越本線経由で新潟駅へ向かう最速の下り夜行急行列車が全線に11時間6分、夜行普通列車だと13時間56分を要していたのに対し、同区間を磐越西線経由で結ぶ夜行普通列車は11時間58分で走破していた。

 上越線全通以降も、会津地方と福島県中通り、さらには首都圏を結ぶ重要路線であり、そのため1967(昭和42)年には郡山駅〜喜多方駅間が交流電化された。このように、一定の利用客があったことから、1980(昭和55)年の国鉄再建法に基づく路線の区分では幹線となった。

ゼロキロポスト(郡山駅)
(2016年6月12日(日)郡山駅1番線ホーム下にて撮影)

ゼロキロポスト(会津若松駅)
2番線ホーム下のペイントと3番線ホーム下にポストがあります。磐越西線の起点は郡山駅で、郡山駅にもゼロキロポストがありますが、この会津若松駅にもあります。会津若松駅でスイッチバックするためだと思われます。
(2017年10月8日(日)撮影)

東北本線(写真右)と磐越西線(写真左)の分岐点
(2016年6月12日(日)郡山駅付近にて撮影)

新潟方面(左)と郡山方面(右)
(2017年10月8日(日)会津若松駅付近にて撮影)

新津駅南方にある信越本線と磐越西線との分岐点。
左にそれるのが磐越西線(郡山方面)、中央が信越本線(直江津方面)、右にそれるのがJR東日本新津車両製造所へ続く専用線。
(2015年7月18日(土)新津駅付近撮影)

新津駅南方にある信越本線と磐越西線との分岐点とは反対側の新津駅方向を撮影。
(2015年7月18日(土)新津駅付近撮影)
電化

非電化
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
所在地 開業年月日
(漢字表記) (よみ)



郡山駅 こおりやま - 0

郡山市 1887(明治20)年7月16日
郡山富田駅 こおりやまとみた 3.4 3.4 2017(平成29)年4月1日
喜久田駅 きくた 4.5 7.9 1898(明治31)年7月26日
安子ヶ島駅 あこがしま 3.9 11.8 1898(明治31)年7月26日
磐梯熱海駅
※古レールについて
ばんだいあたみ 3.6 15.4 1898(明治31)年7月26日
中山宿駅
※旧駅のスイッチバックについて
なかやまじゅく 5.4 20.8 1899(明治32)年3月10日
沼上信号場 ぬまかみ - 25.0 耶麻郡
猪苗代町
1962(昭和37)年6月4日
上戸駅 じょうこ 6.5 27.3 1899(明治32)年3月10日
(臨)猪苗代湖畔駅 いなわしろこはん 2.0 29.3 1986(昭和61)年7月20日
関都駅 せきと 1.7 31.0 1898(明治31)年7月26日
川桁駅 かわげた 2.4 33.4 1899(明治32)年8月4日
猪苗代駅 いなわしろ 3.3 36.7 1899(明治32)年7月15日
翁島駅 おきなしま 4.4 41.1 1899(明治32)年7月15日
更科信号場 さらしな - 45.6 耶麻郡
磐梯町
1962(昭和37)年12月20日
磐梯町駅 ばんだいまち 10.1 51.2 1899(明治32)年7月15日
東長原駅 ひがしながはら 6.0 57.2 会津若松市 1940(昭和15)年12月20日
広田駅 ひろた 2.8 60.0 1899(明治32)年7月15日
会津若松駅 あいづわかまつ 4.6 64.6 1899(明治32)年7月15日
堂島駅 どうじま 5.5 70.1 1934(昭和9)年11月1日
笈川駅 おいかわ 3.1 73.2 河沼郡
湯川村
1934(昭和9)年11月1日
塩川駅 しおかわ 1.9 75.1 喜多方市 1904(明治37)年1月20日
姥堂駅 うばどう 2.4 77.5 1934(昭和9)年11月1日
会津豊川駅 あいづとよかわ 2.0 79.5 1934(昭和9)年11月1日
喜多方駅 きたかた 1.7 81.2 1904(明治37)年1月20日


山都駅 やまと 9.9 91.1 1910(明治43)年12月15日
荻野駅 おぎの 6.1 97.2 1914(大正3)年11月1日
尾登駅 おのぼり 3.8 101.0 耶麻郡
西会津町
1955(昭和30)年10月1日
野沢駅 のざわ 5.2 106.2 1913(大正2)年8月1日
上野尻駅 かみのじり 5.1 111.3 1914(大正3)年11月1日
徳沢駅 とくさわ 6.7 118.0 1914(大正3)年11月1日
豊実駅 とよみ 3.3 121.3

東蒲原郡
阿賀町
1914(大正3)年11月1日
日出谷駅 ひでや 7.1 128.4 1914(大正3)年11月1日
鹿瀬駅 かのせ 5.2 133.6 1914(大正3)年11月1日
津川駅 つがわ 3.4 137.0 1913(大正2)年6月1日
三川駅 みかわ 7.4 144.4 1913(大正2)年6月1日
五十島駅 いがしま 4.2 148.6 1913(大正2)年6月1日
東下条駅 ひがしげじょう 3.9 152.5 1953(昭和28)年1月10日
咲花駅 さきはな 3.1 155.6 五泉市 1961(昭和36)年11月1日
馬下駅 まおろし 2.8 158.4 1910(明治43)年10月25日
猿和田駅 さるわだ 3.5 161.9 1955(昭和30)年8月15日
五泉駅 ごせん 3.8 165.7 1910(明治43)年10月25日
北五泉駅 きたごせん 1.8 167.5 1952(昭和27)年2月20日
新関駅 しんせき 2.5 170.0 新潟市
秋葉区
1954(昭和29)年4月15日
東新津駅 ひがしにいつ 2.8 172.8 1952(昭和27)年2月20日
新津駅 にいつ 2.8 175.6 1897(明治30)年11月20日

年表
岩越鉄道→岩越線
1898(明治31)年7月26日 岩越鉄道 郡山駅〜中山宿(仮)駅間 (21.5km) 開業、堀ノ内・安子ヶ島・熱海・中山宿(仮)駅新設
1899(明治32)年3月10日 中山宿(仮)駅〜山潟駅間 (6.5km) 延伸開業、中山宿駅・山潟駅新設、中山宿(仮)駅廃止
1899(明治32)年7月15日 山潟駅〜若松駅間 (37.3km) 延伸開業、関都駅・猪苗代駅・翁島駅・大寺駅・広田駅・若松駅新設
1899(明治32)年8月4日 (貨)川桁駅新設
1900(明治33)年11月3日 川桁駅を貨物駅から一般駅に変更
1904(明治37)年1月20日 若松駅〜喜多方駅間 (16.6km) 延伸開業、塩川駅・喜多方駅新設
1906(明治39)年11月1日 郡山駅〜喜多方駅間 (49.5M≒81.9km) 買収・国有化
1907(明治40)年5月19日 若松駅〜塩川駅間に木流仮停車場新設
1909(明治42)年10月12日 国有鉄道線路名称制定 岩越線
1910(明治43)年12月15日 喜多方駅〜山都駅間 (9.9km) 延伸開業、山都駅新設
1912(大正元)年12月26日 木流仮停車場廃止
1913(大正2)年8月1日 山都駅〜野沢駅 (15.1km) 延伸開業、荻野駅・野沢駅新設
信越本線(支線)
1910(明治43)年10月25日 信越線(支線) 新津駅〜馬下駅間 (17.2km) 開業、五泉駅・馬下駅新設
1913(大正2)年6月1日 馬下駅〜津川駅間 (21.4km) 延伸開業、五十島駅・白崎駅・津川駅新設
1914(大正3)年6月1日 信越本線に線名を改称(村上線分離による)
全通後
1914(大正3)年11月1日 野沢駅〜津川駅間 (30.8km) 延伸開業、信越本線新津駅〜津川駅間を岩越線に編入し、郡山駅〜新津駅を岩越線とする。上野尻駅・徳沢駅・豊実駅・日出谷駅・鹿瀬駅新設
1915(大正4)年4月10日 堀ノ内駅を喜久田駅に改称
1915(大正4)年6月1日 山潟駅を上戸駅に改称
1917(大正6)年3月26日 地滑りにより松野隧道(喜多方駅〜山都駅間)が埋没。新線により復旧するまでの間、旅客は徒歩連絡、貨物は索道によって中継輸送(8月17日〜1918年6月)。
1917(大正6)年5月21日 若松駅を会津若松駅に改称
1917(大正6)年10月10日 磐越西線に線名を改称
1918(大正7)年6月12日 喜多方駅〜山都駅間が新線に切り替えられ復旧
1925(大正14)年3月20日 熱海駅を岩代熱海駅に改称
1934(昭和9)年11月1日 堂島駅・笈川駅・姥堂駅・会津豊川駅新設
1940(昭和15)年12月20日 東長原駅新設
1951(昭和26)年4月1日? 熊渡仮乗降場新設
1952(昭和27)年2月20日 北五泉駅・東新津駅新設
1953(昭和28)年1月10日 熊渡仮乗降場を東下条駅に改称
1954(昭和29)年4月15日 新関駅新設
1955(昭和30)年8月15日 猿和田駅新設
1955(昭和30)年10月1日 尾登駅新設
1961(昭和36)年11月1日 咲花駅新設
1962(昭和37)年6月4日 沼上信号場新設
1962(昭和37)年7月20日 志田浜仮乗降場新設(上戸駅〜関都駅間)
1962(昭和37)年12月20日 更科信号場新設
1965(昭和40)年6月1日 岩代熱海駅を磐梯熱海駅に、大寺駅を磐梯町駅に改称
1965(昭和40)年10月1日 キハ82系気動車による上野駅〜山形駅間の特急「やまばと」に併結で上野駅〜会津若松駅間編成を新設
1967(昭和42)年6月15日 郡山駅〜喜多方駅電化(交流50Hz・20kV)、同時に同区間が単線自動閉塞化
1967(昭和42)年7月1日 455系電車による急行「ばんだい」運転開始
1967(昭和42)年8月21日 志田浜仮乗降場廃止
1968(昭和43)年9月18日 特急「やまばと」から会津若松編成を分離し、485系電車による特急「会津やまばと」運転開始
1968(昭和43)年9月28日 特急「会津やまばと」を「あいづ」に改称
1981(昭和55)年10月1日? 50系客車運用開始
1982(昭和57)年11月15日 上野駅〜新潟駅間の急行「いいで」を廃止
1983(昭和58)年2月28日 喜多方駅〜新津駅間CTC使用開始
1983(昭和58)年3月10日 郡山駅〜喜多方駅間CTC使用開始
1984(昭和59)年2月1日 急行「ばんだい」廃止、快速列車に移行
1985(昭和60)年3月14日 白崎駅を三川駅に改称。急行「あがの」廃止、快速列車に移行
1986(昭和61)年7月20日 (臨)猪苗代湖畔駅新設
1987(昭和62)年4月1日 東日本旅客鉄道が第1種鉄道事業者として継承、日本貨物鉄道が第2種鉄道事業者となる
1993(平成5)年12月1日 上野駅〜会津若松駅間の特急「あいづ」廃止。郡山駅〜会津若松駅間に特急「ビバあいづ」運転開始
1995(平成7)年11月26日 新津駅〜会津若松駅間にさよなら客車列車を運転
1995(平成7)年12月1日 ダイヤ改正により50系による客車列車運転終了
1997(平成9)年3月22日 磐梯熱海駅〜中山宿駅〜上戸駅改キロ (-0.7km)(中山宿駅スイッチバック廃止に伴う)
1999(平成11)年4月29日 「SLばんえつ物語号」(現・SLばんえつ物語)運転開始
2002(平成14)年12月1日 特急「ビバあいづ」を「あいづ」に改称
2003(平成15)年10月1日 特急「あいづ」を廃止し、快速列車に格下げ
2007(平成19)年6月30日 719系電車運用開始
2008(平成20)年3月14日 455系電車運転終了

wikipediaより参照

TOP旅の記録路線各駅巡礼写真のページ>JR磐越西線(福島県・新潟県)