◆JR気仙沼線(宮城県)◆

◆2013年3月3日(日)、9月7日(土)、9月14日(土)撮影
(概要)
 気仙沼線(けせんぬません)は、宮城県石巻市の前谷地駅から気仙沼市の気仙沼駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。 三陸縦貫線を構成する路線の一つである。2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災の影響で、沿岸部を走行する柳津駅〜気仙沼駅間が不通となったが、同区間で2012年8月20日より暫定運行としてBRT方式によるバス代行運行が始まり、同年12月22日から本格運行に移行した。

(歴史)
 改正鉄道敷設法別表第17号前段に規定する予定線である。1957(昭和32)年に気仙沼側が気仙沼線として開業し(その際、既開業の大船渡線の貨物支線の一部を活用した)、1968(昭和43)年には前谷地側が柳津線(やないづせん)として開業した。
 1976年(昭和51年)、高木文雄が国鉄総裁に就任し、大赤字確実な路線の引き取りを拒否する意向を示したことから建設区間の先行きが危ぶまれたものの、1977(昭和52)年に両線を結ぶ柳津〜本吉間の新線が開業し、念願の全線開通を果たした。この直後に国鉄再建法によりローカル線の新線建設がストップしており、さらにその後、国鉄再建の動きの中の特定地方交通線の整理において部分開通路線の廃線や第三セクター転換が行われたケースもあり、国鉄線として「滑り込みセーフ」の全線開通であった(なお、同線が全線開業した1977年の時点で開業寸前状態だった九州の油須原線に関しては高木総裁の意向により受け取りを拒否されていた)。この気仙沼線の柳津〜本吉間は国鉄時代に開業した最後の地方交通線である。

 国鉄時代には各駅停車しか設定されていなかったが、JR東日本発足後は仙台と南三陸諸都市を結ぶ短絡線として着目され、快速「南三陸」の運行などによって都市間連絡機能において大船渡線に取って代わった。
 2011(平成23)年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では全線が不通となった。特に、地震による津波で陸前戸倉駅、志津川駅、歌津駅、陸前港駅、陸前小泉駅、小金沢駅、最知駅、松岩駅、南気仙沼駅が流失、津谷川橋(気仙沼市本吉町:陸前小泉〜本吉間)が落橋、各所で路盤・築堤が流失(消失)するなど、沿岸部を通る陸前戸倉〜 南気仙沼間は壊滅した。復旧には自治体の復興計画で路線の変更があるために年単位になることをJR東日本は明らかにしている。 2012(平成24)年5月21日より、同年内の運行開始を目指し、不通区間のBRTによる仮復旧工事が始まり、8月20日よりバス代行運転扱いとして運行を開始した。BRT用の車両はJR東日本が用意して、ミヤコーバスに運行を委託している。同年12月22日より、JR東日本がバス事業者となりBRTの本格運行を開始した。

前谷地駅3番線ホーム脇にあるゼロキロポスト。
(2013年3月3日(日)撮影)

前谷地駅の女川方面 「下谷地踏切」にある分岐点。
左が気仙沼線、右が石巻線
(2013年9月14日(土)撮影)
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
所在地 開業日
(漢字表記) (よみ)
前谷地駅まえやち 6.6 0.0

石巻市 1912(大正元)年10月28日
※石巻線の駅として
和渕駅わぶち 3.2 3.2 1968(昭和43)年10月24日
のの岳駅ののだけ 3.0 6.2 遠田郡 涌谷町 1968(昭和43)年10月24日
陸前豊里駅りくぜんとよさと 4.1 10.3 登米市 1968(昭和43)年10月24日
御岳堂駅みたけどう 3.3 13.6 1968(昭和43)年10月24日
柳津駅やないづ 3.9 17.5 1968(昭和43)年10月24日
陸前横山駅りくぜんよこやま 4.8 22.3 1977(昭和52)年12月11日
陸前戸倉駅りくぜんとぐら 7.2 29.5 本吉郡 南三陸町 1977(昭和52)年12月11日
志津川駅しづがわ 4.2 33.7 1977(昭和52)年12月11日
ベイサイドアリーナ駅べいさいどありーな 2.4 36.1 2012(平成24)年8月20日
清水浜駅しずはま 2.1 38.2 1977(昭和52)年12月11日
歌津駅うたつ 4.1 42.3 1977(昭和52)年12月11日
陸前港駅りくぜんみなと 2.6 44.9 1977(昭和52)年12月11日
蔵内駅くらうち 1.8 46.7 気仙沼市 1977(昭和52)年12月11日
陸前小泉駅りくぜんこいずみ 2.0 48.7 1977(昭和52)年12月11日
本吉駅もとよし 2.8 51.5 1957(昭和32)年2月11日
小金沢駅こがねざわ 3.1 54.6 1957(昭和32)年2月11日
大谷海岸駅おおやかいがん 3.7 58.3 1957(昭和32)年2月11日
陸前階上駅りくぜんはしかみ 3.3 61.6 1957(昭和32)年2月11日
最知駅さいち 1.7 63.3 1967(昭和42)年7月20日
松岩駅まついわ 2.3 65.6 1957(昭和32)年2月11日
南気仙沼(市立病院入口)駅みなみけせんぬま 2.7 68.3 1957(昭和32)年2月11日
不動の沢駅ふどうのさわ 1.3 69.6 1960(昭和35)年11月10日
気仙沼駅けせんぬま 3.2 72.8 1929(昭和4)年7月31日
※大船渡線の駅として

年表
気仙沼線
1956(昭和31)年4月11日 【開業】大船渡線気仙沼〜気仙沼港(貨物支線)(5.8 km) 【駅新設】(貨)気仙沼港
1957(昭和32)年2月11日 【開業】気仙沼線 南気仙沼〜本吉(旅客営業のみ)(17.1 km) 【路線分離】大船渡線気仙沼〜気仙沼港間貨物支線を気仙沼線に編入 【旅客営業開始】気仙沼〜南気仙沼 (4.5 km) 【駅新設】南気仙沼、松岩、陸前階上、大谷、小金沢、本吉 (上記の結果、気仙沼線 気仙沼〜本吉 (21.6 km)、南気仙沼〜気仙沼港(貨物支線)(1.3 km) となる)
1960(昭和35)年11月10日 【駅新設】不動の沢
1967(昭和42)年7月20日 【駅新設】最知
柳津線
1968(昭和43)年10月24日 【開業】柳津線前谷地〜柳津 (17.5 km) 【駅新設】和渕、のの岳、陸前豊里、御岳堂、柳津
全線開通以後
1977(昭和52)年12月11日 【延伸開業・全通】気仙沼線柳津〜本吉(旅客営業のみ)(34.0 km) 【駅新設】陸前横山、陸前戸倉、志津川、清水浜、歌津、陸前港、蔵内、陸前小泉 【貨物営業廃止】南気仙沼〜本吉 (-17.1 km) 【路線整理】気仙沼線を柳津線に編入し改称。気仙沼線 前谷地〜気仙沼 (72.8 km)、南気仙沼〜気仙沼港(貨物支線)(1.3km)
1979(昭和54)年11月1日 【廃止】南気仙沼〜気仙沼港(貨物支線)(-1.3 km) 【貨物営業廃止】気仙沼〜南気仙沼 (-4.5 km) 【駅廃止】(貨)気仙沼港
1987(昭和62)年4月1日 【承継】東日本旅客鉄道
1997(平成9)年3月22日 【駅名改称】大谷 → 大谷海岸
2001(平成13)年10月14日 天皇・皇后の宮城国体行幸啓に伴い、1号御料車編成によるお召し列車を仙台から東北本線・石巻線経由で柳津へ運転(片道のみ)。DD51 842牽引(予備機:DD51 888)
2007(平成19)年12月8日 仙台〜気仙沼間に盛岡車両センター所属の改造気動車「kenji」を用いて「気仙沼線全線開通30周年号」を運転
2011(平成23)年3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生により全線で不通。松岩〜最知間に緊急停車中(乗員乗客は避難済み)だった上り列車1編成が津波に流される。
2011(平成23)年4月9日 前谷地〜柳津間で代行バス運転開始。
2011(平成23)年4月29日 前谷地〜柳津間で運転再開。
2011(平成23)年5月9日 志津川〜本吉〜気仙沼間でミヤコーバス路線バス(三陸線)臨時ダイヤに乗る形で、当該区間に対し有効な定期券・回数券保持者に対するバス振替輸送を開始。
2011(平成23)年7月11日 柳津〜志津川間でミヤコーバス路線バス(三陸線)臨時ダイヤに乗る形で、当該区間に対し有効な定期券・回数券保持者に対するバス振替輸送を開始。
2012(平成24)年5月7日 JR東日本が提示した気仙沼線のBRT方式による“仮復旧”に対して、沿線の気仙沼市、南三陸町、登米市が合意。
2012(平成24)年5月21日 陸前階上〜最知間でBRT方式のための工事開始。
2012(平成24)年8月1日 気仙沼線BRTの運行を担う気仙沼線BRT営業所開所(大船渡線営業所に隣接)。
2012(平成24)年8月20日 陸前階上〜最知間の専用道化工事完成に伴い、柳津〜気仙沼間でバス代行運転扱いとしてBRTによる暫定サービス提供開始。ミヤコーバスによるバス振替輸送は前日8月19日の運行をもって終了。【駅新設】ベイサイドアリーナ 【駅名改称・移設】南気仙沼 → 南気仙沼(市立病院入口)
2012(平成24)年12月22日 柳津〜気仙沼間のBRTの本格的な運行開始。
2013(平成25)年2月1日 気仙沼線BRT営業所が大船渡線BRT(2013年3月運行開始予定)の運営も担うため「気仙沼BRT営業所」に改称。
wikipediaより参照
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