◆サファイア(Sapphire)(和名:青玉)◆
9月誕生石、天秤座の守護石
9月の誕生石で、宝石言葉は、誠実、貞操。語源は、ラテン語の青色から来ています。古来から多くの人を魅惑していた宝石であり、ダイヤモンドの近代的カッティング技術が確立する17世紀頃まで、「宝石の王」サファイア、「宝石の女王」ルビーと呼ばれました。古代ペルシアでは、大地そのものがサファイアでできていて、空はそのブルーを映すため、青いものだと考えられていました。また、旧約聖書の出エジプト記には、神がモーゼに伝えた十戒を刻んだ石がブルーサファイアで、神の意志を伝える石として、最上級の価値を与えています。
サファイアは、コランダムという鉱石の一種で、コランダムにCr(クロム)が含まれ、赤色のものがルビー、Fe(鉄)とTi(チタン)を含んだそれ以外の色がサファイアで、まさしく兄弟のような関係にあります。
サファイアの中で最高品質といわれているのが、限りなく透明な青色のものです。
サファイアには、宝石であると同時に、工業用としても広く使われてきました。サファイアには、熱に強く、ダイヤモンドに次ぐ硬度であり、電気を通さず、紫外線や赤外線をよく通すという性質があります。この性質を利用して、第一次世界大戦前までは時計や家庭用のメーターなどの電気機器の部品に天然のサファイアが広く使用されていました。現在は、人工サファイアが使われ、人工宝石の中でもっとも多く製造され、レンズやボールペンのペン先、高温の溶鉱炉などいろんな分野で使用されています。またコンパクトディスクを読みとるレーザーも人工サファイアが作り出しています。
主な産出国は、インド、スリランカ、ミャンマー、オーストラリアで、特にインド北部のカシミール地方のサファイアは高品質で知られています。ただ、地球上に残されている質の良いサファイアはあとわずかといわれています。
◎Colum◎
【インドの星】
世界一大きなサファイアで、563カラット(112.6g)あります。アメリカの大富豪モルガン家の手を経て、現在は、アメリカ・ニューヨークの自然史博物館に所蔵されています。
【アジアの星】
インドの星に次ぐ世界第二の大きさを持つサファイアで、330カラットあります。現在はアメリカ・ワシントンのスミソニアン博物館に所蔵されています。
【スターサファイア】
光を当てると中心を交わる3本の光すじを見せ、あたかも星のように光るものをいい、大変貴重です。3本の光すじはそれぞれ、信頼、希望、運命を表していると言われています。
化学組成 | Al2O3+Fe+Ti |
硬度 | 8.8〜9 |
比重 | 4.0〜4.1 |
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