(上り)磐梯熱海駅←中山宿駅(スイッチバック時代)(廃止)→(下り)中山宿駅
この駅は非常に深い思い出があります。 学生時代の就職活動の時、会津若松市へ向かうためこの磐越西線に乗っていたんですが、この駅で列車の進行方向が変わるという変わった体験をしました。当時はこの手の興味はなかったので、何でだろうなあと純粋に思ったものです。後々調べると、スイッチバック駅だった事を知りました。当時各駅停車の列車はいったん、進行方向を変えてこの中山宿駅に入らなければならなかったのです。 ちなみにこの時、帰りは特急を使ったので、このスイッチバックへは入らずに通り過ぎただけだったんですが、途中で豪雨に襲われて列車が止まって列車内で2時間ほど待たされた思い出が強烈に残っています。 この列車の方向転換と豪雨の思い出が今でも鮮烈に残っているわけですが、今年になってそのスイッチバックの駅を訪れる機会がありましたので、あちこち撮影をしてきました。 (概要) 中山宿~上戸間にある中山峠は最大25パーミルの勾配があり、難所となっていました。そこで、この中山宿駅に勾配をやり過ごすためのスイッチバックが導入されました。 その後、列車の電化による馬力向上により、スッチバックに頼らずに峠を越えることが可能となり、1997(平成9)年にスイッチバックは廃止、駅も800mほど会津若松寄りに移転されました。 1899(明治32)年 磐越西線が山潟まで開通。中山宿駅が設置される。(当時は岩越鉄道) 1963(昭和38)年 直通不可能だったスイッチバックを直通可能(通過式)に改良。 1967(昭和42)年 電化が完了。断面の小さな隧道が多数廃止される。 1997(平成9)年 中山宿駅が西側に移設され、同時にスイッチバックも廃止される。 |
初代:1899(明治32)年~1963(昭和38)年 2代目 1963(昭和38)年~1997(平成9)年 |
現在 1997(平成9)年~ |
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駅への入口。集落から離れたところにあります。 |
かつてこの比較的広い所にに駅舎がありました。 |
放置された木製の枕木。廃止時に撤去されてここに置かれたもののようです。 |
上にあるのが現在の路線。写真中央部に斜めにある部分がかつての引き上げ線。 |
ホーム跡。編成の長い貨物列車にも対応できるようにしたため、ホームも長く設置されています。 |
駅名標は撤去されていました。 |
保線用車両の車庫なんでしょうか?線路も引かれているので車両が行き来できるようです。 |
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分岐を操作する器機。転轍機というらしい。いまも使われているのだろうか。 |
現在の路線との合流地点。 |
合流地点を今度は会津若松方向へ撮影。写真右の林付近にかつての引き上げ線があります。 |
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2023年6月10日(土)撮影 実に12年ぶりの再訪問です。基本的には大きな変わりはありませんでしたが、ホーム跡に柵が設置されていたことと、現在の路線を走る列車の車窓から見えるように看板が設置されていました。おそらく時期的に草が生い茂っていなかったことから、定期的に草刈りなどの環境整備の手入れがされているようです。 |
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ホーム上には旧国鉄様式の駅名標と看板が、現在の本線上から見えるように立てられています。 |
歴史と年表を掲示している看板。 |
歓迎看板 |
現在は、ホーム上に柵が設けられています。 |
このレールの標本は前回訪問時にあったかどうか記憶が定かではありません。 |
手前から「30、37、40N、50N、60」と白ペンキで描かれた数字はレールの太さを示す規格。 |
留置されている作業用車両。今でも本線と線路は繋がっているので現役のものと思われます。 |
実際、自動車で言うところの車検に相当する「検査表示標」が張られていて、定期的に検査されているようです。 |
近くにある中山宿の集落。 |
かつての宿場町だったので、現在でもそれなりに家は建っています。 |
おそらく宿場町として栄えていた時代の建物。こういう古民家が好きなんです。 |
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おまけ:小福山隧道 中山宿駅の郡山側近くにある。明治31(1898)年開業の頃の建築で、昭和41(1966)年電化による線路付け替えのために廃止、隣には現在使用されている小福山トンネルがある |
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会津若松側。左が現役の「小福山トンネル」、右が廃止された「小福山隧道」。 |
煉瓦積みが重厚さを醸しだし、いかにも明治時代を感じさせる。 |
目立った崩落はありませんでしたが、落ちてきたレンガが下に何個かありました。 |
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中は非常に綺麗で、敷かれたバラストが廃止当時のまま残っています。 |
郡山側 |
郡山側からトンネル方向撮影。左が木に隠されて見えませんが旧隧道。結構なカーブで、これがトンネル付け替えの原因だったと思われます。 |
現在の線路へ合流します。 |
郡山側には保線用に設置された階段があります。危険なのでここでの登り降りはおすすめしませんが。 |