(概要) 岩手開発鉄道は岩手県大船渡市にある鉄道で、日頃市線(ひころいちせん)は、盛駅から岩手石橋駅に至る路線、赤崎線(あかさきせん)は盛駅から赤崎駅に至る路線である。 両路線とも貨物線で、実質的には1路線として機能している。大船渡市内陸部にある大船渡鉱山で採掘した石灰石を岩手石橋駅で積み込み、盛駅を経由して同市赤崎町にある赤ア駅まで輸送し、太平洋セメント大船渡工場まで運んでいる。 かつて日頃市線では旅客営業が行われていたが1992年に廃止されている。 (歴史) 地域振興や林産資源などの輸送のため、大船渡線盛駅から遠野市にある釜石線平倉駅までを結ぶ鉄道として計画された。1941(昭和16)年に着工したが太平洋戦争中は工事が中断。戦後再開し、1950(昭和25)年に日頃市線として盛〜日頃市間が開業した。1957年にはセメント工場のある赤崎までの赤崎線が開設され、セメント輸送を開始した。その後、日頃市線が長岩鉱山のある岩手石橋まで延伸され、小野田セメント(現在の太平洋セメント)の石灰石輸送を開始した。 日頃市線では開業当初から旅客営業も行っていたが、利用者がきわめて少ない上に運賃を安価に設定するなど、収益を期待できるものではなかった。貨物輸送の減少から旅客輸送を行う経営的余裕がなくなり、1992(平成4)年に廃止された。 |
三陸鉄道南リアス線(上)と岩手開発鉄道(下)の立体交差。 (2019年3月16日(土)撮影) |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
所在地 | 開業日 | |||
(漢字表記) | (よみ) | ||||||
赤 崎 線 |
赤崎 | あかさき | 2.0 | 2.0 | 岩手県 大船渡市 |
1957(昭和32)年6月21日 (貨物のみ) |
|
盛 | さかり | 0 | 0.0 | 1950(昭和25)年10月21日 | |||
日 頃 市 線 |
|||||||
猪川 | いかわ | - | - | 1950(昭和25)年10月21日 1992(平成4)年4月1日(廃止) |
|||
長安寺 | ちょうあんじ | 3.3 | 3.3 | 1950(昭和25)年10月21日 | |||
日頃市 | ひころいち | 3.1 | 6.4 | 1950(昭和25)年10月21日 | |||
岩手石橋 | いわていしばし | 3.1 | 9.5 | 1960(昭和35)年6月21日 |
年表 | |
1950(昭和25)年10月21日 | 日頃市線 盛〜日頃市間が開業。 |
1957(昭和32)年6月21日 | 赤崎線 盛〜赤崎間が開業(貨物営業のみ)。 |
1960(昭和35)年6月21日 | 日頃市線 日頃市〜岩手石橋間が開業。 |
1992(平成4)年4月1日 | 日頃市線 盛〜岩手石橋間の旅客営業廃止。猪川駅廃止。 |
2011(平成23)年3月11日 | 東日本大震災で被災。津波で大きく被害を受ける。 |
2011(平成23)年11月8日 | 赤崎線が復旧。両路線とも運行再開。 |