(概要) 成田線(なりたせん)は、以下の路線から構成される東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)。いずれも全区間千葉県内を走行する。 ・佐倉駅(佐倉市)〜松岸駅(銚子市)間の本線 ・我孫子駅(我孫子市)〜成田駅(成田市)の間の支線(通称我孫子支線) ・成田市内にある成田駅〜成田空港駅間の支線(通称空港支線) (歴史) 江戸っ子に親しまれていた成田山新勝寺を東京と鉄道で結ぶ構想は早くから存在しており、1887(明治20)年に本所〜市川〜 佐倉〜佐原間を結ぶ武総鉄道、1889(明治22)年に佐倉〜成田〜佐原間を結ぶ北総鉄道(1972(昭和47)年に設立され、京成高砂〜印旛日本医大間を運行している同名鉄道とは別)の構想が立てられた。だが当初千葉県は、東京との交通手段において鉄道と利根川水運が競合することによる共倒れを恐れて、利根運河ができた以上同地域には鉄道は不要との見解を取った。そのため、本所〜市川〜佐倉間に総武鉄道(後の総武本線)がようやく開通したのが1894(明治27)年であり、そこから成田方面に分岐する鉄道が築かれるまでにはさらに月日を要した。 |
ゼロキロポスト (佐倉駅3番線) (2017年12月31日(日)撮影) |
我孫子駅の岩沼方面にある常磐線(左)と成田線(右の高架)の分岐点。 (2017年12月28日(木)撮影) |
我孫子駅の岩沼方面にある成田線(左の高架)と常磐線(右)の分岐点。 (2017年12月28日(木)撮影) |
成田駅の北側にある我孫子支線(左)と本線(右)の分岐点。 (2017年12月28日(木)撮影) |
下総松崎〜成田間にある建設中の線路。手前に京成電鉄成田空港線(成田スカイアクセス)成田湯川駅とその高架が見えますので、連絡線なのかもしれません。 (2017年12月28日(木)撮影) |
成田駅の北側にある本線(左)と空港支線(右)。上の高架は成田空港線(成田スカイアクセス)。 (2017年12月31日(日)撮影) |
成田駅の北側にある成田空港線(成田スカイアクセス)(左)と空港支線(右)。 (2017年12月31日(日)撮影) |
佐倉駅の東側にある成田線(左)と総武線(右)の分岐点。 (2017年12月31日(日)撮影) |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
営業 キロ |
所在地 | 開業日 | |||||
(漢字表記) | (よみ) | ||||||||
東京 から |
千葉 から |
佐倉 から |
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佐倉駅 | さくら | 4.2 | 55.3 | 16.1 | 0.0 | 千 葉 県 |
佐倉市 | 1894(明治27)年7月20日 | |
酒々井駅 | しすい | 6.4 | 61.7 | 22.5 | 6.4 | 印旛郡 酒々井町 |
1897(明治30)年1月19日 | ||
成田駅 | なりた | 6.7 | 68.4 | 29.2 | 13.1 | 成田市 | 1897(明治30)年1月19日 | ||
成田線分岐点 | - | 2.1 | 70.5 | 31.3 | 15.2 | 実際の空港支線との分岐点 | |||
久住駅 | くずみ | 4.8 | 75.3 | 36.1 | 20.0 | 1902(明治35)年7月1日 | |||
滑河駅 | なめがわ | 5.5 | 80.8 | 41.6 | 25.5 | 1897(明治30)年12月29日 | |||
下総神崎駅 | しもうさこうざき | 6.1 | 86.9 | 47.7 | 31.6 | 香取郡 神崎町 |
1898(明治31)年2月3日 | ||
大戸駅 | おおと | 4.5 | 91.4 | 52.2 | 36.1 | 香取市 | 1926(大正15)年4月1日 | ||
佐原駅 | さわら | 3.9 | 95.3 | 56.1 | 40.0 | 1898(明治31)年2月3日 | |||
香取駅 | かとり | 3.6 | 98.9 | 59.7 | 43.6 | 1931(昭和6)年11月10日 | |||
水郷駅 | すいごう | 3.9 | 102.8 | 63.6 | 47.5 | 1931(昭和6)年11月10日 | |||
小見川駅 | おみがわ | 5.2 | 108.0 | 68.8 | 52.7 | 1931(昭和6)年11月10日 | |||
笹川駅 | ささがわ | 5.0 | 113.0 | 73.8 | 57.7 | 香取郡 東庄町 |
1931(昭和6)年11月10日 | ||
下総橘駅 | しもうさたちばな | 5.2 | 118.2 | 79.0 | 62.9 | 1933(昭和8)年3月11日 | |||
下総豊里駅 | しもうさとよさと | 3.3 | 121.5 | 82.3 | 66.2 | 銚子市 | 1933(昭和8)年3月11日 | ||
椎柴駅 | しいしば | 4.8 | 126.3 | 87.1 | 71.0 | 1933(昭和8)年3月11日 | |||
松岸駅 | まつぎし | 4.4 | 130.7 | 91.5 | 75.4 | 1897(明治30)年6月1日 |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
営業 キロ |
所在地 | 開業日 | |||||
(漢字表記) | (よみ) | ||||||||
東京 から |
千葉 から |
佐倉 から |
|||||||
成田駅 | なりた | - | 29.2 | 13.1 | 0.0 | 千 葉 県 |
成 田 市 |
1897(明治30)年1月19日 | |
成田線分岐点 | - | 2.1 | 31.3 | 15.2 | 2.1 | 実際の本線との分岐点 | |||
堀之内信号場 | ほりのうち | - | - | - | - | 2009(平成21)年3月14日 | |||
空港第2ビル駅 | くうこうだいにびる | 7.7 | 39.0 | 22.9 | 9.8 | 1992(平成4)年12月3日 | |||
成田空港駅 | なりたくうこう | 1.0 | 40.0 | 23.9 | 10.8 | 1991(平成3)年3月19日 |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
営業 キロ |
所在地 | 開業日 | ||
(漢字表記) | (よみ) | |||||
我孫子駅 | あびこ | - | 0.0 | 千 葉 県 |
我孫子市 | 1896(明治29)年12月25日 |
東我孫子駅 | ひがしあびこ | 3.4 | 3.4 | 1950(昭和25)年10月12日 | ||
湖北駅 | こほく | 2.9 | 6.3 | 1901(明治34)年4月1日 | ||
新木駅 | あらき | 2.6 | 8.9 | 1958(昭和33)年4月1日 | ||
布佐駅 | ふさ | 3.2 | 12.1 | 1901(明治34)年4月1日 | ||
木下駅 | きおろし | 1.9 | 14.0 | 印西市 | 1901(明治34)年4月1日 | |
小林駅 | こばやし | 4.3 | 18.3 | 1901(明治34)年8月10日 | ||
安食駅 | あじき | 4.9 | 23.2 | 印旛郡 栄町 |
1901(明治34)年2月2日 | |
下総松崎駅 | しもうさまんざき | 4.6 | 27.8 | 成田市 | 1901(明治34)年8月10日 | |
成田駅 | なりた | 5.1 | 32.9 | 1897(明治30)年1月19日 |
年表 | |
成田鉄道 | |
1894(明治27)年7月25日 | 下総鉄道に対し仮免状下付(佐倉〜佐原間)。 |
1895(明治28)年8月22日 | 成田鉄道に社名変更(届) |
1895(明治28)年11月27日 | 免許状下付 |
1897(明治30)年1月19日 | 成田鉄道(初代) 佐倉駅〜成田駅間が開業。 |
1897(明治30)年12月29日 | 成田駅〜滑河駅間が開業。 |
1898(明治31)年2月3日 | 滑河駅〜佐原駅間が開業。 |
1901(明治34)年2月2日 | 成田駅〜安食駅間が開業。 |
1901(明治34)年4月1日 | 安食駅〜我孫子駅間が開業。 |
1901(明治34)年7月15日 | 鉄道免許状返納(1898年6月29日免許 佐原〜小見川間 工事竣工期限経過ノタメ) |
1901(明治34)年8月10日 | 松崎駅・小林駅が開業。 |
1902(明治35)年3月1日 | 成田駅〜日本鉄道上野駅間直通列車運転開始。 |
1902(明治35)年7月1日 | 久住駅が開業。 |
1904(明治37)年3月20日 | 成田駅〜総武鉄道本所駅(現在の錦糸町駅)間直通列車運転開始。 |
1918(大正7)年3月27日 | 軽便鉄道に指定 |
国有化以降 | |
1920(大正9)年9月1日 | 成田鉄道が国有化され佐倉駅〜佐原駅間、成田駅〜我孫子駅間が成田線となる。松崎駅を下総松崎駅に改称。機関車8両、客車62両、貨車98両を引継ぐ。 |
1926(大正15)年4月1日 | 大戸駅が開業。 |
1931(昭和6)年11月10日 | 佐原駅〜笹川駅間が開業。 |
1933(昭和8)年3月11日 | 笹川駅〜松岸駅間が開業。 |
1957(昭和32)年4月1日 | 郡駅が下総神崎駅に改称。 |
1958(昭和33)年4月1日 | 新木駅が開業。 |
1968(昭和43)年2月25日 | 佐倉駅〜成田駅間が自動信号化。 |
1968(昭和43)年3月28日 | 佐倉駅〜成田駅間が電化。 |
1970(昭和45)年6月1日 | 成田駅〜佐原駅間が自動信号化。 |
1970(昭和45)年6月5日 | 佐原駅〜水郷駅間が自動信号化。 |
1970(昭和45)年7月15日 | 成田駅〜香取駅間に列車集中制御装置 (CTC) が導入。 |
1970(昭和45)年10月1日 | 成田駅〜我孫子駅間が自動信号化。佐倉駅〜成田駅〜我孫子駅間が CTC 化。 |
1973(昭和48)年9月28日 | 成田駅〜我孫子駅間が電化。 |
1973(昭和48)年9月29日 | 本佐倉信号場〜酒々井駅〜並木信号場間が複線化。本佐倉信号場・並木信号場が開業。 |
1974(昭和49)年2月14日 | 水郷駅〜松岸駅間が自動信号化。 |
1974(昭和49)年3月15日 | 香取駅〜松岸駅間が CTC 化。 |
1974(昭和49)年10月26日 | 成田駅〜松岸駅間が電化。 |
1984(昭和59)年2月1日 | 成田駅〜我孫子駅間の貨物営業廃止。 |
1986(昭和61)年2月24日 | 佐倉駅〜本佐倉信号場間、並木信号場〜成田駅間が複線化。本佐倉信号場・並木信号場が廃止。 |
1986(昭和61)年11月1日 | 香取駅〜松岸駅間の貨物営業廃止。 |
国鉄分割民営化以降 | |
1987(昭和62)年4月1日 | 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に承継。 |
1991(平成3)年3月19日 | 成田駅〜成田空港駅間の支線が開業(当初より CTC 、ATS-P 導入)。 |
1992(平成4)年9月14日 | 午後4時すぎ、久住駅〜滑河駅間の大菅踏切で千葉発佐原行き普通列車1457Mと過積載のダンプカーが衝突。列車の運転士は救急車で病院に搬送中に死亡。この事故を契機に踏切事故から運転士を保護するため、前面強化構造ではない113系や115系、165系などの一部車両に補強板が取り付けられたほか、209系以降の電車の運転席にクラッシャブルゾーンが設けられた。事故後、大菅踏切は立体交差化され、廃止となった。 |
1992(平成4)年12月3日 | 空港第2ビル駅が開業。 |
1994(平成6)年10月28日 | 佐倉駅〜成田駅間で ATS-P 使用開始。 |
1997(平成9)年 | 我孫子支線の部分複線化工事開始(用地買収段階で凍結)。 |
2000(平成12)年3月12日 | 成田駅〜我孫子駅間で ATS-P 使用開始。 |
2009(平成21)年3月14日 | 京成成田空港線敷設工事にともない、根古屋信号場が廃止。空港第2ビル駅寄りに堀之内信号場が開業。成田駅〜松岸駅間が東京近郊区間に組み込まれ、同時にICカード「Suica」サービス開始。 |
2009(平成21)年10月1日 | 113系の老朽化などの事由により、千葉駅〜成田駅〜銚子駅間に209系2000番台・2100番台電車の投入を開始。 |
2010(平成22)年2月14日 | 成田駅〜松岸駅間で ATS-PN 使用開始。 |
2014(平成26)年3月15日 | 空港支線の最終が45分遅くなり最終が成田空港発2300になる。 |
2015(平成27)年3月14日 | 上野東京ライン開業に伴い、我孫子支線の一部電車が東海道本線品川発着となる。 |