◆小坂町(秋田県)◆

 小坂町(こさかまち)は秋田県の北東部に位置する町である。かつては小坂鉱山など鉱山資源で栄え、江戸時代には津軽街道が通る盛岡藩の領地であった。
秋田県北東部に位置し、青森県と境を接している。奥羽山脈の西側、鹿角盆地の北部に位置する。 町の北東部には十和田湖があるが、2008年までは町の境界が確定していなかった。2008(平成20)年9月に十和田市との境界が覚え書きによって確定して官報に告示され、十和田湖の西側が正式に小坂町の町域となった。 19世紀初頭に小坂鉱山が発見され、金・銀の採掘で栄えた。明治時代には銅・亜鉛の採掘も行われ、小坂鉱山事務所を始めとして多数の近代建築が建てられ、町は大いに栄えた。第二次世界大戦後は鉱山資源が枯渇し、町は一頃よりも衰退した。 近年は、明治期の近代建築や十和田湖の観光資源を生かした町づくりを模索している。また、家電製品からリサイクルをして、レアメタルを取り出す産業が発達している。人口は5,647人 (推計人口、2014年5月1日)。

◆2014年4月20日(日)、6月1日(日)撮影◆
小坂鉱山事務所
 1905(明治38)年に小坂鉱山の事務所として建設。ルネサンス様式の外観を残す建物は、1997(平成9)年まで事務所として使われていたが小坂製錬の工場増築に伴い解体され、建物は小坂町に無償譲渡された。 2001(平成13)年、小坂町の明治百年通り構想により、旧小坂鉱山病院跡地に移転復元され、新たに観光施設として生まれ変わった。移転するに当たっては、完成当時の状態を再現するため、壁面はモルタルから白い漆喰に変更、屋根もトタンからバルコニーは完成当時の杉板ぶきに、それ以外は耐久性から銅板ぶきに変更した。ランプなどの室内の小物に関しても当時の設計図を元に作り直した。2002(平成14)年には康楽館とともに国の重要文化財に指定されている。

銅像。小坂鉄道でこの鉱山にやってきた鉱山技師夫婦が事務所を見上げているという情景を模して作られたのだそうです。
旧小坂病院記念棟
現在移転復元された小坂鉱山事務所の地にはかつて、小坂鉱山病院(1908年建築)がありました。この建物は霊安施設として建てられ、病院は1948(昭和23)年の火災により焼失しましたが、この建物は延焼を免れました。その後、1997(平成9)年の病院廃止により建物は解体されましたが、この建物は明治期の小坂鉱山病院の姿を残す唯一の建物として保存され、現在に至ります。
旧電練場妻壁
このレンガ壁は、移転前の小坂鉱山事務所正面に位置した旧電練場(現電解工場、明治42年)妻壁です。旧電練場は当初寄棟屋根でしたが、大正初めに切妻に改造され、藤田組の社章が表示されました。平成9年の増築に伴い妻壁は解体されたため、歴史的建築物の危険として、その一部をここに復原したものです。(現地案内板より)
康楽館
康楽館(こうらくかん)は、1910(明治43)年竣工の小坂町立の芝居小屋。建物は国の重要文化財である。旧金毘羅大芝居(香川県仲多度郡琴平町)や永楽館(兵庫県豊岡市)とともに、日本最古級の劇場の一つとして知られる。
小坂精錬
小坂鉱山は1990年に閉山したが、現在では小坂製錬としてかつての製錬施設を活用したリサイクル事業を行っている。
小坂精錬小坂線
小坂製錬所で製造された製品を輸送するため、大館市の大館駅と小坂町の小坂駅を結ぶ鉄道として路線を所有していたが、同線による製品輸送が2008年3月で終了し、2009(平成21)年4月1日に廃止した。現在は一部を観光施設として整備している。
その他
町内で見つけた変な建物。

一見すると窓のある建物のように見えますが・・・

窓枠のみがはめられた変な建物です。

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