C57 180蒸気機関車
JR東日本にて動態保存

◆2013年6月8日(土)、6月9日(日)撮影
C57形蒸気機関車
 国鉄C57形蒸気機関車は、日本国有鉄道(国鉄)の旅客用テンダー式蒸気機関車である。マスコミなどでは「貴婦人(きふじん)」の愛称で紹介されることも多い。鉄道ファン等からは「シゴナナ」と呼ばれている。
 1937(昭和12)年、C55形の63号機として製造が始められた機関車であるが、改良箇所が多岐に及んだため、検討の末に新形式とすることが決定され、C57形蒸気機関車として誕生をしている。 1947年(昭和22年)までの間に201両が量産された。本形式への信頼も高く、C51形に始まるライトパシフィック機の決定版となった。

C57 180履歴
 1946(昭和21)年に、三菱重工業三原製作所にて製造(製造番号 513)。新製時には新潟機関区に配置され、1963(昭和38)年に新津機関区に移り、1969(昭和44)年11月8日に廃車となった。
 製造から一貫して新潟県内の機関区に配置され、北は羽越本線秋田、南は信越本線直江津、東は磐越西線会津若松までを行動範囲としていた。新潟機関区に新製配置直後は戦後混乱期の工作不良がたたってトラブルが続出していたが、1958(昭和33)年のボイラー交換後は安定した性能を発揮し、急行「日本海」や「佐渡」などの長距離優等列車牽引に重用された。
 1969年に無煙化の促進によって羽越本線での運用が大幅に削減され、磐越西線の旅客列車からの運用撤退によって新津機関区のC57形は大幅に減ることになった。全般検査後1年だった同機は転属候補とされていたが、鉄道の街・新津に蒸機を1両だけでも残したいとの声が新津機関区で上がり、それに新津市も賛同、保存機として同機が選ばれることとなった。新津機関区生え抜きの他機を差し置いて同機が選ばれた理由は、番号の語呂が良く、D51 180やC51 180も同区に長年在籍しており、180という数字に特別な思い入れがあったことや、癖や故障が少ないためである。
 同年9月30日に磐越西線での蒸機牽引による最終定期旅客列車を日出谷駅〜新津駅間で牽引後、10月12日に新津市立新津第一小学校の校庭の磐越西線側に静態保存された。保存に際し、新津駅の引き上げ線を延長した仮設線路を校庭に敷設し保存場所まで自力で走行、市民や児童らの歓待を受け、同機自らによるくす玉割りや神事の後、惜別の長緩汽笛を何度も吹鳴した。現役期間中の最終総走行距離は1,691,096.3kmであった。静態保存から2年後には屋根が掛けられ、新津機関区(現在の新津運輸区)職員やOB、新津市民らによる「新津市蒸気機関車保存協力会」や第一小学校児童の手により手厚く整備清掃を受け、保存されていた。

 1990(平成2)年4月、高崎支社のD51 498により「SLうるおいの新潟号」が運転された。その後1996(平成8)年から1998(平成10)年までの3年間、磐越西線新津駅〜津川駅にて同機やC58 363を使用した「SLえちご阿賀野号」が運転された。これを機に新津市ではC57 180を動態復元しようという機運が高まることとなり、1997(平成9)年新津市において「C57 180を走らせる会」が結成された。復元に必要と見込まれた費用である2億円の半分を、市民らがオレンジカードを購入するなどして負担することとした。
 復元作業は翌1998(平成10)年3月に開始、JR東日本大宮工場や大阪府のサッパボイラでの作業も1年後に完了、1999(平成11)年3月に30年ぶりに車籍が復活した。保存状態はよかった。

 現在は、 「SLばんえつ物語」を筆頭に、JR東日本新潟支社管内にて様々な臨時列車の牽引機として運行されている。

・諸元表
C57 180号機関車
機関車重量(運転整備)(t) 67.5t
炭水車重量(運転整備)(t) 48.0t
長さ(最大) 20,330mm
幅(最大) 2,936mm
高さ(最大) 3,945mm
動輪直径 1,750mm
最大馬力 1,040ps
最高速度 100km/h
石炭積載量 12.0t
水タンク容量 17,000リットル

WikipediaWikipediaより)

C57形180号機(2013年6月8日(土)上野尻駅にて撮影)

C57形180号機(2013年6月8日(土)上野尻駅にて撮影)

C57形180号機(2013年6月9日(日)馬下駅にて撮影)

C57形180号機(2013年6月9日(日)馬下駅にて撮影)

C57形180号機(2013年6月9日(日)馬下駅にて撮影)
最後尾の車両は2013年度から導入された「グリーン車」。

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