湯田ダム(北上水系和賀川)(岩手県)

◆2010年9月4日(土)撮影

湯田ダムは、下流域の北上川の治水を目的に建設された高さ89.3メートルの重力式アーチダムで、和賀岳より流れ出た和賀川をせきとめて造られた。計画自体は戦前からあったものの、太平洋戦争の激化による資材労力不足により中止された。戦後間もないカスリン台風(1947(昭和23)年9月)やアイオン台風(1948(昭和23)年9月)により北上川水系に甚大な被害を及ぼしたことによりこの計画は修正の上、ダム建設が推進されるようになった。湯田ダムは1953(昭和28)年に着工して、11年をかけて1964(昭和39)年に完成。11年もかかったのは、当時わが国最大のダム工事だったためで、水没戸数600戸(旧湯田村の中心部)、鉄道付け替え15km、道路付け替え39kmにもおよび、これらの対策のために5年以上の年月を要し、とくに水没住民との補償交渉は難航したという。この完成によって出来たダム湖は錦秋湖と名付けられた。ちなみに北上川水系では田瀬湖に次ぐ大きさである。

錦秋湖の出現によって、国鉄横黒線(現在のJR北上線)大荒沢駅(後に廃止)・陸中大石駅(現在のゆだ錦秋湖駅)・陸中川尻駅(現在のほっとゆだ駅)の三駅と15.3営業キロメートル区間が水没することとなるため、1959(昭和34)年8月より新線建設を開始し1962(昭和37)年12月1日にルート変更及び駅移転を行った。

湯田ダム
北上川水系和賀川。1953(昭和28)年着工、1964(昭和39)年完成。ダムの高さは89.5m。

新線の仙人トンネル?

旧線上にある大荒沢ロックシェード

本内隧道西口と本内橋梁跡

写真中央部右寄りに左から右にみえる築堤部分。旧線はこの上に敷設されていたそうです。
(国道から一般県道133号線へ入り、湖を跨ぐ天ヶ瀬橋から、和賀仙人方向へ)

左の写真を拡大。これは「岩滑沢橋梁跡」だそうです。

ほっとゆだ駅の北上側にある割と知られた撮影スポット。

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