この3.7cm対戦車砲は1941年頃までのドイツ国防軍の標準的な対戦車砲である。 この砲は、スペイン内戦で使用され、十分な成果を出した。この小ささが大きな利点であった。すなわち、とても軽く、戦闘中の兵士でも容易に持ち運びが出来、それに加え、敵から見えなくする迷彩効果が容易であったことである。 しかし、1940年の早い段階から、英仏連合軍の重装備の戦車に対抗することは出来なくなっていた。重戦車への不十分な性能のため、「陸軍のドアノック装置」または「戦車のノック砲」というあだ名を与えられる始末であった。 新しい対戦車砲導入までの暫定的解決策として、砲口装着式のHEAT弾であるStielgranate 41 HLが開発された。この形成炸薬効果によって180mmの戦車装甲を貫通することが出来、十分な性能であった。ただし、この弾丸の有効射程距離は200mと短かった。すなわち発射時には、一人の兵士が最前線でこの砲の防御盾の前に出て、銃身にこの榴弾を差し込まなければならないという危険があった。 |