ヘッツアーは成功した設計で賞賛されている駆逐戦車である。 ヘッツアーはドイツ国防軍では38(t)戦車の名称である、チェコスロヴァキア併合時に接収されたチェコスロヴァキア製のTNHP戦車を基礎としている。固定式砲塔という構造の引き換えに、砲身の砲撃時反動のための広い空間を確保出来る新しい構造のおかげで、7.5cm砲を搭載することを可能にした。それに加えて、この車両は回転式砲塔戦車より、簡素で、低価格で生産することが出来た。 欠点としては、すべての固定式砲塔戦車に共通しているが、第一に砲撃角度が車体方向に制限されなければならないことである。よって、射撃手にとって射撃範囲は大きく制限されると言うことである。 このようにして生まれた車両は、とても車高が低く、とても扱いやすく、正面が十分な装甲を有することとなった。反対に、38(t)戦車では装甲板がリベットで固定されていたが、ヘッツアーでは溶接されていて、このことは装甲防御力を高めた。傾斜装甲板は敵の砲弾をはじくさらなる効果をもたらした。この小型の設計による欠点として、戦車内部の搭乗員へ極端な空間不足に悩まされることであった。それに加え、側面と後部装甲は極端に薄かった。 ヘッツアーはドイツ国防軍で製造された絶えず巨大化し重量が重くなっていった車両の傾向の中では例外であった。ほかのすべての駆逐戦車との違いとして、ヘッツアーは第二次世界大戦後もチェコスロヴァキアとスイスで使用されたことである。 開発期間:1943~1944年 生産期間:1944年~1945年 生産数:2,584両 乗員:4名 重量:16トン 大きさ:6.27m×2.63m×2.17m(長さ×幅×高さ) エンジン:ガソリン エンジン出力:160(馬力) 最高速度(整地):42km/h 最高速度(不整地):16km/h 航続距離(整地):260km 航続距離(不整地):170km 武装:48口径75mm Pak 39 L/48、7.92mm機関銃×2 搭載弾丸数:40発、600発 |