◆VI号戦車(ティーガー)後期生産型◆
展示名:Panzerkampfwagen VI Tiger

 ティーガー戦車は一番多くの神話や伝説に包まれたドイツ戦車である。
 ティーガー戦車は第2次世界大戦間で最も知られた戦車である。初の実戦投入は1942年にもかかわらず、開発の根源は1930年代にまで遡る。それゆえ、ティーガー戦車のデザインは旧式で、避弾経始形状を持っていなかった。ティーガー戦車はIII号戦車やIV号戦車に見られる典型的なドイツ戦車の形状をしていた。おおよそ、ティーガー戦車は単純に極端な装甲と火力で増大された。すなわち、非常に厚い装甲と、極端で正確な貫通力との融合であった。この兵器システムが実行されるためには、戦車内部の非常に複雑な技術的解決を見つけなければならなかった。ティーガー戦車はしばしば特異な戦車だけではなく、むしろ技術的複雑さからとても価値の高い戦車であった。ティーガー戦車はそれゆえ、とても高価な戦車で、はじめから大量生産の出来ないものであった。短い航続距離と技術的な欠点は永続的な問題であった。ティーガー戦車の本来の役割は「塹壕突撃車両」であったが、戦争期間中にはそれがなかった。ティーガー戦車はむしろすべての戦線での激戦区で戦車として本来の役割では無い戦車として活躍せざるを得なかったし、また、ほとんどすべて殲滅や喪失しなければならなかった。しかし、とても戦闘力があるティーガー戦車が少数で高い敵戦車の撃破数を達成したにも関わらず、戦争期間全体ではわずかな数でしかなく重大な影響力は無かった。
 戦争で発生した「ティーガー神話」。すなわち、卓越した形状に高い戦闘能力、そしてプロパガンダ。それらがすべてこのかたわらにやってきた。このティーガー戦車は戦争中、そして戦争後も、すべての戦車の前で無敵かつ奇跡的な戦車として変化するのである。

「複合」ディーガ-戦車
 ここに展示されている車両は実物のティガー戦車ではない。模造品として取り扱われ、2012年から2017年までの間、ドイツ連邦軍内の「カモフラージュ技術基地」にて修復されたものである。2013年から2016年までの間、戦車博物館に置かれた賃借されたティーガー戦車が原型である。この車両はさまざまな残された部品を組み合わせて復元されていて、初期型と後期型のティーガー戦車の特徴が見られる。この特異性はこの模型に引き継がれている。
 このティーガー戦車は約9,000個の部品から構成されている。この復元に当たっては9名が従事した。(以下略)。

この模型の重さは2.7トンであり、実際のティガー戦車56トンの5%弱である。
700kg・・・鉄とアルミ製
670kg・・・プラスチック鋳造素材
650kg・・・ガラス繊維強化プラスチック
210kg・・・ポリ塩化ビニル
150kg・・・下地と塗装
その他、多数の金属製品(ボルト、リベットそしてナット)や様々な木製部品。

開発期間:1937~1941年
生産期間:1942~1944年
生産数:1,349両
乗員:5名
重量:55トン
大きさ:8.24m×3.73m×2.88m(長さ×幅×高さ)
エンジン:ガソリン
エンジン出力:700(馬力)
最高速度(整地):38km/h
最高速度(不整地):20km/h
航続距離(整地):100~120km
航続距離(不整地):60~80km
武装:56口径88mm kwK 36型、7.92mm機関銃×2

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