シュトゥルムティーガーは家屋をめぐって戦う市街戦のための重突撃用戦車である。 この車両の製造に当たっては、損傷したティーガーI型戦車の再利用がなされた。砲塔とたらい状の上部構造物が正面装甲150mmという頑丈な車体に置き換えられた。そのため、ロケット射出器61(Raketenwerfer 61)を組み込むことができ、射程距離は5,700mであった。この武装はもともと潜水艦を撃沈するための撃ち尽くし潜水榴弾である海軍の対地対艦攻撃用艦載ロケットランチャー(Wurfgerät 38cm)の陸軍改良版であった。 正式な名称は「臼砲」が選ばれた。というのも、この兵器の外見の印象が第一次世界大戦の重臼砲を思い起こされるからである。しかし、兵器技術上の原則からは全く別物ではあるが。 このロケットはとてつもない破壊力を有していたが、途方もなく極端に重い砲弾のため使用するためにとてもゆっくりであった。砲身内の異様な穴は、砲身の破裂を避けるために、発射時のガスをわきへそらすためのものである。このロケットで建物や防御施設が破壊された。 シュトゥルムティーガーは1944年に起こったワルシャワ蜂起の鎮圧で初めて使用された。この作戦で20万人以上の市民が犠牲となった。 開発期間:1943年 生産期間:1944~1945年 生産数:18両 乗員:5名 重量:65トン 大きさ:6.28m×3.57m×2.85m(長さ×幅×高さ) エンジン:ガソリン エンジン出力:650(馬力) 最高速度(整地):40km/h 最高速度(不整地):24km/h 航続距離(整地):100~120km 航続距離(不整地):60~80km 武装:380mmロケット射出器 5.4口径 L/5.4 61、7.92mm機関銃×1 弾薬:ロケット弾14発 |