JR釜石線
遠野〜青笹駅旧線

◆2012年10月6日(土)、2013年7月13日(土)撮影
釜石線の遠野駅から青笹駅の間は、現在の市街地を横切るような路線ではなく、駅からすぐに北側に向かって、その後南側へと進む蛇行するような路線であった。原因は市街地を避けるためと推測される。1936(昭和11)年に岩手軽便鉄道が国有化され「鉄道省釜石線」となった後、岩手軽便鉄道の軌間762mmを改めて、国鉄標準であった1067mmへの改軌が順次実施された。この区間では、市街地を避けるために蛇行していた路線ではなく、市街地を横切る最短の路線に線路を付け替えられ、1950(昭和25)年10月10日に完了した。おそらく重量のある貨物輸送や時間短縮に対応するために行われたと思われる。
大正5年の地形図(抜粋)

「この地図は、国土地理院発行の5万分の1地形図(遠野)(大正5)を使用したものである。」
国土地理院発行地形図の引用について http://www.gsi.go.jp/LAW/2930-meizi.html
平成5年の地形図(抜粋)

「この地図は、国土地理院発行の5万分の1地形図(遠野)(平成5)を使用したものである。」
国土地理院発行地形図の引用について http://www.gsi.go.jp/LAW/2930-meizi.html

1948(昭和23)年の航空写真。
上に大きくカーブしている黄線が旧線で、下にカーブしているのが新線。前年の航空写真を見ても新線部分が伸びていないことから、太平洋戦争により工事がしばらく中断していたことがわかります。

@〜C(図1)
@遠野駅裏

写真中央部に遠野駅のホームが見えます。ここは路線跡と推定されます。

この銭湯の建っているところが路線跡。他の建物と比べ斜めの立地になっているので、路線跡と判別できます。

反対側の建物。銭湯の場合と同様に、周囲の他の建物と比べ斜めの立地になっているので、路線跡と判別できます。
A東北森林管理局岩手南部森林管理署遠野支署付近

東北森林管理局岩手南部森林管理署遠野支署の建物で、旧線はこの脇(写真反対側)を通っていました。

路線跡。仙人峠方向撮影。ちなみに左側が上早瀬橋。右の建物の石垣は旧線時代のものかどうかは不明ですが、結構古かったです。
B釜石街道との交差地点付近

この先はパチンコ屋になっています。この駐車場から写真中心部方向が路線跡。
C釜石線との合流点
(2013年7月13日(土)撮影)

花巻方向。この地点で線路は右側にそれ、中央の民家を通っていったと考えられます。

反対側の釜石方向。
第一早瀬川橋梁に残る旧線跡
上記旧線合流地点からおおよそ1km先(青笹方向)にある橋梁には軽便鉄道時代の痕跡が残されていました。

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この橋梁は改軌に合わせて新しく架け替えられたようです。

青笹方向。左が軽便鉄道の橋台跡。

反対の遠野方向。草で隠れている写真右側が橋台跡。

橋脚跡が草むらに隠れるようにありましたので、うっかり見逃すところでした(汗)。この時期の旧線調査は伸びてしまった草が視界を邪魔してなかなか発見を困難にしてしまいますので、なかなか大変です。

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