(概要) 富良野線(ふらのせん)は、北海道(上川管内)旭川市の旭川駅と富良野市の富良野駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線(地方交通線)である。 旭川や美瑛、富良野という有名観光地を沿線に持つ、北海道を代表する観光路線である一方、近年は周辺地域が旭川のベッドタウンとして発展しており、旭川方面への通勤・通学路線としての一面も持ち合わせている。 (歴史) 元々は北海道官設鉄道によって旭川と釧路を結ぶ幹線鉄道(十勝線、釧路線)の一部として建設されたもので、富良野駅までは1900(明治33)年8月1日に十勝線の一部として開通している。1913(大正2)年11月10日に滝川駅〜下富良野駅(現在の富良野駅)間の新線が下富良野線として開通し、釧路本線(現在の根室本線)の起点が旭川駅から滝川駅に変更されたのに伴い、下富良野駅〜旭川駅間が富良野線として分離された。 なお、線路名称では起点が富良野駅、終点が旭川駅となっているが、『鉄道要覧』ではその逆となっている。 |
ゼロキロポスト 旭川駅2番線ホーム下にある。 レールには「富54K700|函423K754」とペイントされている。 (2024年5月4日(土)撮影) |
分岐点 富良野線(左)と宗谷本線(右) (2024年5月4日(土)撮影) 宗谷本線(左)と富良野線(右) 分岐点 (2024年5月4日(土)撮影) |
分岐点 根室本線(左)と富良野線(右) (2017年5月4日(木)撮影) |
駅 番 号 |
駅名・信号場名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
所在地 | 開業日 | |||
(漢字表記) | (よみ) | |||||||
A28 | 旭川駅 | あさひかわ | - | 0.0 | 上 川 管 内 |
旭川市 | 1898(明治31)年7月16日 ※函館本線の駅として |
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F29 | 神楽岡駅 | かぐらおか | 2.4 | 2.4 | 1958(昭和33)年3月25日 | |||
F30 | 緑が丘駅 | みどりがおか | 1.6 | 4.0 | 1996(平成8)年9月1日 | |||
F31 | 西御料駅 | にしごりょう | 1.2 | 5.2 | 1958(昭和33)年3月25日 | |||
F32 | 西瑞穂駅 | にしみずほ | 2.2 | 7.4 | 1958(昭和33)年3月25日 | |||
F33 | 西神楽駅 | にしかぐら | 2.5 | 9.9 | 1899(明治32)年9月1日 | |||
F34 | 西聖和駅 | にしせいわ | 2.4 | 12.3 | 1958(昭和33)年3月25日 | |||
F35 | 千代ヶ岡駅 | ちよがおか | 4.3 | 16.6 | 1936(昭和11)年9月10日 | |||
F36 | 北美瑛駅 | きたびえい | 3.7 | 20.3 | 上 川 郡 |
美 瑛 町 |
1958(昭和33)年3月25日 | |
F37 | 美瑛駅 ※古レールについて | びえい | 3.5 | 23.8 | 1899(明治32)年9月1日 | |||
F38 | 美馬牛駅 | びばうし | 6.8 | 30.6 | 1926(大正15)年9月10日 | |||
F39 | 上富良野駅 | かみふらの | 9.1 | 39.7 | 空 知 郡 |
上富 良野 町 |
1899(明治32)年11月15日 | |
F40 | 西中駅 | にしなか | 4.5 | 44.2 | 中富 良野 町 |
1958(昭和33)年3月25日 | ||
F41 | (臨)ラベンダー畑駅 | らべんだーばたけ | 1.6 | 45.8 | 1999(平成11)年6月11日 | |||
F42 | 中富良野駅 | なかふらの | 1.5 | 47.3 | 1900(明治33)年8月1日 | |||
F43 | 鹿討駅 | しかうち | 2.4 | 49.7 | 1958(昭和33)年3月25日 | |||
F44 | 学田駅 | がくでん | 2.8 | 52.5 | 富良野市 | 1958(昭和33)年3月25日 | ||
T30 | 富良野駅 | ふらの | 2.3 | 54.8 | 1900(明治33)年8月1日 |
年表 | |
北海道官設鉄道 | |
1899(明治32)年9月1日 | 北海道官設鉄道十勝線(とかちせん)として、旭川駅〜美瑛駅間が開業。同区間に辺別駅、美瑛駅を開設。 |
1899(明治32)年11月15日 | 十勝線の美瑛駅〜上富良野駅間が延伸開業。同区間に上富良野駅を開設。 |
1900(明治33)年8月1日 | 十勝線の上富良野駅〜下富良野駅間が延伸開業。同区間に中富良野駅、下富良野駅を開設。 |
国有鉄道 十勝線→釧路線 | |
1905(明治38)年4月1日 | 十勝線の旭川駅〜下富良野駅(〜落合駅)間が逓信省鉄道作業局(国有鉄道)に移管。旭川駅の読みを「あさひかわ」から「あさひがわ」に変更。 |
1909(明治42)年10月12日 | 国有鉄道線路名称制定に伴い、十勝線と釧路線が統合され、旭川駅〜下富良野駅(〜帯広駅〜釧路駅(後の浜釧路駅))間が釧路線(くしろせん)となる。 |
富良野線 | |
1913(大正2)年11月10日 | 滝川駅〜下富良野駅間 (57.6km) が開業し、滝川駅〜下富良野駅〜帯広駅〜釧路駅(後の浜釧路駅)間が釧路本線(くしろほんせん)に改称。これに伴い、旭川駅〜下富良野駅間 (54.8km) が釧路本線から分離され、富良野線(ふらのせん)に改称。 |
1926(大正15)年5月24日 | 十勝岳の噴火により発生した泥流の影響で不通となる。同年5月28日、運転再開。 |
1926(大正15)年9月10日 | 美瑛駅〜上富良野駅間に美馬牛駅を開設。 |
1936(昭和11)年9月10日 | 西神楽駅〜美瑛駅間に千代ヶ岡駅を開設。 |
1942(昭和17)年4月1日 | 下富良野駅を富良野駅に改称。 |
1942(昭和17)年10月1日 | 辺別駅を西神楽駅に改称。 |
日本国有鉄道 | |
1949(昭和24)年6月1日 | 公共企業体日本国有鉄道(国鉄)に移管。 |
1958(昭和33)年1月25日 | 客貨混合列車を廃止し、客貨分離達成。同時に気動車の運行を開始。 |
1958(昭和33)年3月25日 | 旭川駅〜西神楽駅間に神楽岡駅、西御料駅、西瑞穂駅、西神楽駅〜千代ヶ岡駅間に西聖和駅、千代ヶ岡駅〜美瑛駅間に北美瑛駅、上富良野駅〜中富良野間に西中駅、中富良野駅〜富良野駅間に鹿討駅、学田駅を開設。 |
1958(昭和33)年10月1日 | 全ての列車が気動車による運転となる。 |
1962(昭和37)年5月1日 | 旭川駅〜釧路駅間(富良野線経由)に急行「狩勝」新設。 |
1974(昭和49)年7月19日 | 無煙化達成。 |
1975(昭和50)年7月18日 | 急行「狩勝」(下り)1号・(上り)2号の富良野線内が普通列車に格下げ。これに伴い、富良野線を経由する定期優等列車の設定がなくなる。 |
1983(昭和58)年9月1日 | 全線に自動列車制御装置 (CTC) を導入。 |
民営化以後 | |
1987(昭和62)年4月1日 | 国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)が第一種鉄道事業者として全線を承継。旭川駅〜富良野駅(構内除く)間がJR北海道旭川支社、富良野駅構内が同社本社鉄道事業本部管轄となる。また、全線で貨物営業を廃止(富良野コンテナセンターは存続し、日本貨物鉄道〈JR貨物〉が継承)。 |
1988(昭和63)年3月13日 | 旭川駅の読みを「あさひがわ」から「あさひかわ」に再変更。 |
1992(平成4)年10月1日 | 普通列車全列車がワンマン運転となる。 |
1996(平成8)年4月1日 | シルバーシートを導入(JR北海道内では初の導入)。 |
1996(平成8)年9月1日 | 西御料駅〜神楽岡駅間に緑が丘駅を開設。 |
1999(平成11)年6月11日 | 中富良野駅〜西中駅間に(臨)ラベンダー畑駅を新設。 |
2007(平成19)年10月1日 | 全区間で駅ナンバリングを実施。 |
2010(平成22)年10月10日 | 旭川駅が高架化。 |
2019(令和元)年12月23日 | 国鉄分割民営化以降、初めてJR貨物の貨物列車が当線を走行。根室本線の芦別駅〜富良野駅間が不通となっていた関係で、富良野駅に留置された貨物列車を救出する形で運行された。 |