花巻電鉄線
廃線区間(その3)鉄道線(西花巻〜花巻温泉間)
(1969年9月1日廃線(西花巻〜花巻間)、1972年2月16日(花巻〜花巻温泉間))
◆2012年12月1日(土)、2013年3月31日(日)撮影
(その1)軌道線(中央花巻〜西花巻間)(1965年7月1日廃線)
(その2)軌道線(西花巻〜西鉛温泉間)(1969年9月1日廃線)
(その3)鉄道線(西花巻〜花巻温泉間)(1969年9月1日廃線(西花巻〜花巻間)、1972年2月16日(花巻〜花巻温泉間)

国土地理院発行地形図(1/50,000(花巻)(H20))を引用
黒線:鉄道線、青線:軌道線、赤線:1965(昭和40)年以前の廃止区間

国土地理院発行地形図(1/25,000(花巻)(H19))を引用

水色線:岩手軽便鉄道(1944(昭和19)年に路線変更)
黒色線:1969(昭和44)年の軌道線廃止時の路線
赤色線:1965(昭和40)年以前の廃線部分
D西花巻駅
西花巻は中央花巻からの路線が花巻温泉方面と鉛温泉方面に分岐する形態であり、花巻〜鉛温泉方面間の列車はここで運転方向を変えていた。中央花巻〜西花巻間廃止後もしばらくはそのままの形態であったが、後に配線を変更し、スイッチバックが解消された。そのため西花巻駅の位置が変更となっている。
国土変遷アーカイブで昭和23年と昭和51年当時の空中写真で確認したところ、どうやら昔の西花巻駅は、花巻税務署付近、新しい西花巻駅は花巻市消防本部付近にあったようです。

新しい西花巻駅はこの花巻市消防本部にありました。

昔の西花巻駅は花巻税務署付近にありました。
E路線跡
住宅地にある廃線跡。緩やかな曲線がかつて路線だったことを物語っています。
F路線跡

写真左にあるのが、旧花巻町役場で、傍らには馬面電車が保存されています。また、ここから廃線跡はサイクリングロードに転用されています。
G材木町公園の馬面電車(デハ3)と旧花巻町役場
→馬面電車(デハ3)の詳細についてはこちらを参照。

このように厳重に保管されています。

旧花巻町庁舎。現在地に移転されて、「市民の家」として市民の憩いの場となっています。
H路線跡
左がサイクリングロード、右が車道。
I花巻駅
現在はJR花巻駅の西口と、駐輪場になっています。
かつては島式にホーム1本の駅で国鉄の花巻駅から跨線橋で接続していた。また、貨物ホームや車庫を併設しており、3線が入る検修庫もあったそうです。

現地の案内板と当時の花巻駅の写真
J、K路線跡
この区間は一部を除きほぼサイクリングロードに転用されています。
これらの住宅は廃線後に建てられたもので、かつて花巻電鉄が運行されていた頃は田園風景が広がっていたと思われます。
L橋梁跡

橋梁のすぐ近くには花巻東高等学校があります。
ちなみに、この学校は花巻電鉄廃止後の1996(平成8)年にこの地に移転されたので、花巻電鉄とは無関係です。

花巻東高等学校より若干花巻寄りに行くと、花巻電鉄時代の橋梁がそのまま残されています。
M花巻グランド前駅
花巻グランドは、現在では「日居城野(ひじょうの)運動公園」となっています。
電車交換可能な駅でした。

花巻東高等学校を過ぎると、「日居城野(ひじょうの)運動公園」に入っていきます。

さらに進むと、開けた場所に出ます。
かつての「花巻グランド前駅」は電車交換が可能な駅でしたので、ここが駅跡なのかもしれません。

ちょうどこの部分だけが広くなっています。

駅跡の正面には野球スタンドがありました。
N橋梁跡と跨線橋

左の橋梁に隣接して跨線橋があります。中心部を拡大してみると、


架線を吊った金具と碍子跡が残されています。
O瀬川駅跡
瀬川駅は相対式にホームが1本ある交換駅で貨物側線もあった。

花巻駅方向

花巻温泉方向。写真から見て商店のあたりがかつての駅とホーム跡。この店は、廃線後間もなく一般に土地が払い下げられ、その上に建てられたものだそうです。

このコンクリートは、駅の農業倉庫の土台跡だそうで、かつては貨物で輸送された米を保管していたそうです。
(2013年3月31日撮影)
P北金矢駅跡

駅跡にはバス停が置かれています。
花壇がかつての駅跡の可能性があります。
Q松山寺(しょうさんじ)前駅

駅跡にはバス停が置かれています。

手前の道路の奥に路線跡であるサイクリングロードがあります。

駅付近にあった道路橋「万寿橋」。

竣工が「昭和39年3月25日」となっているので、花巻電鉄が走っていた頃にはあったことがわかります。

駅名の由来となった松山寺。
R花巻温泉駅跡

路線跡であるサイクリングロードは花巻温泉手前で終了となっています。

花巻温泉駅跡。現在は路線バスの展開場所として利用されています。

現在でも残されている階段。昔の写真で確認したところ、ホームは階段手前にあって、駅舎は階段を上ったところにありました。

前述のサイクリングロード終点部分から駅跡までの路盤には郵便局が建っていました。

かつての駅舎を出ると、花巻温泉の入口がお出迎えしてくれます。昔も駅舎を出た観光客にはこのように見えたのかもしれません。

駅舎跡に残された謎の丸の跡。
いろいろ調べたら、駅撤去後に設置されたものの可能性が大きいです。

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