キハ110系(岩泉線 茂市=岩泉) (2009年7月11日(土)浅内駅にて撮影) |
鉄道路線巡礼の旅第一弾として、2008年に初めて行った記念すべき路線。岩泉線と言えば、全国屈指の「秘境駅」である押角駅をはじめ、1日の列車本数が通しで3往復という |
茂市駅にあるゼロキロ標 (2012年8月17日(金)撮影) |
(概要) 1日の列車本数が全線通しが3往復と区間運転1往復、鉄道統計年報平成15年度版によると輸送密度は85人でJR路線で最も小さいというローカル線である。 特定地方交通線第2次廃止対象線区に選ばれていたが、並行する国道340号押角峠が急峻かつ幅員狭小でバスなどの大型車が通れないため、代替道路未整備を理由に廃止対象から除外されている。 |
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この路線の建設計画は古く、1922(大正11)年4月11日公布の改正鉄道敷設法別表第8号に規定する予定線で、東北本線(現在のいわて銀河鉄道線)の小鳥谷から小本街道沿いに三陸海岸沿いの袰野(ほろの。岩泉町の字名で岩泉=小本間に位置する。そこで接続するはずであった同第6号の予定線(現在の三陸鉄道北リアス線)は、トンネルでショートカットしたため袰野を通過しなかった)に至る鉄道と落合付近(岩泉町の字名で浅内=二升石間に位置する)から分岐して茂市で山田線に接続する鉄道の一部である(左図参照)。 | |
しばらくは放置された格好だったが、日中戦争の泥沼化や太平洋戦争勃発による総力戦体制が敷かれ、沿線から産出する鉱物資源の開発の必要性が出てきたため、茂市から岩泉町を通って小本に至るルートに計画が変わり、1942(昭和17)年に茂市=岩手和井内間が小本線(おもとせん)として開業した。この線名は計画当初の終点からとったものだったが、鉄道建設は順次進められたものの1972(昭和47)年の岩泉でとまって工事は「休止」となり、小本線も岩泉線と改名された。 |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
所在地 | 開業年月日 | ||
(漢字表記) | (よみ) | |||||
茂市駅 | もいち | - | 0.0 | 岩 手 県 |
宮古市 | 1934(昭和9)年11月6日 ※山田線の駅として |
岩手刈屋駅 | いわてかりや | 4.3 | 4.3 | 1942(昭和17)年6月25日 | ||
中里駅 | なかさと | 2.9 | 7.2 | 1966(昭和41)年10月1日 | ||
岩手和井内駅 | いわてわいない | 2.8 | 10.0 | 1942(昭和17)年6月25日 | ||
押角駅 | おしかど | 5.8 | 15.8 | 1944(昭和19)年7月20日 | ||
宇津野駅(廃止) | うつの | 4.5 | 20.3 | 下閉伊郡 岩泉町 |
開業:1947(昭和22)年11月25日 廃止:1957(昭和32)年5月16日 |
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岩手大川駅 | いわておおかわ | 5.5 | 25.8 | 1957(昭和32)年5月16日 | ||
コンクリート製橋梁 | ||||||
浅内駅 | あさない | 5.2 | 31.0 | 1957(昭和32)年5月16日 | ||
二升石駅 | にしょういし | 2.8 | 33.8 | 1972(昭和47)年2月6日 | ||
岩泉駅 | いわいずみ | 4.6 | 38.4 | 1972(昭和47)年2月6日 |
1942(昭和17)年6月25日 | 【開業】小本線 茂市〜岩手和井内 (10.0 km) 【駅新設】岩手刈屋、岩手和井内 |
1944(昭和19)年7月20日 | 【延伸開業】岩手和井内〜押角(5.8 km、貨物営業のみ)【駅新設】(貨)押角 |
1947(昭和22)年11月25日 | 【延伸開業】押角〜宇津野 (4.5 km) 【旅客営業開始】岩手和井内〜押角 【駅新設】宇津野 【貨物駅 → 一般駅】押角 |
1948(昭和23)年11月26日 | 【災害不通】全線(風水害による) |
1949(昭和24)年3月5日 | 【営業再開】全線(復旧) |
1957(昭和32)年5月16日 | 【延伸開業】宇津野〜浅内 (10.9 km) 【駅新設】岩手大川、浅内 【駅廃止】宇津野 |
1966(昭和41)年10月1日 | 【駅新設】中里 |
1972(昭和47)年2月6日 | 【延伸開業】浅内〜岩泉(7.4 km、旅客営業のみ) 【駅新設】二升石、岩泉 【改キロ】岩手大川〜浅内 (-0.2km) 【線名改称】岩泉線 |
1982(昭和57)年11月15日 | 【貨物営業廃止】茂市〜浅内 |
1984(昭和59)年6月22日 | 運輸大臣が廃止承認を保留 |
1985(昭和60)年8月2日 | 代替道路未整備を理由に廃止対象から除外 |
1986(昭和61)年3月3日 | 岩手和井内・浅内駅無人化に伴い、茂市〜岩泉間一閉塞化(スタフ閉塞化) |
1987(昭和62)年4月1日 | 【承継】東日本旅客鉄道 |
2003(平成15)年10月11日 | 快速「キハ52・58岩泉号」が運転され多くの乗客が岩泉線に足を運ぶ(13日まで) |
2008(平成20)年7月24日 | 【災害不通】全線(岩手県沿岸北部地震による) |
2008(平成20)年7月25日 | 【営業再開】全線(復旧) |
2010(平成22)年7月31日 | 【災害不通】全線(土砂崩れによる列車脱線事故による) |
2010(平成22)年8月2日 | 【代行輸送開始】全線(16日まで押角駅・二升石駅は通過) |
2011(平成23)年3月11日 | 東北地方太平洋沖地震の影響により、代行輸送を休止 |
2011(平成23)年3月20日 | 代行輸送を再開 |
2012(平成24)年3月30日 | JR東日本が鉄道路線を廃止し、バス輸送へ転換する方針を発表 |
2013(平成25)年9月5日 | JR東日本が路線廃止を正式に沿線自治体に伝達 |
2013(平成25)年11月7日 | 路線廃止でJR東日本と沿線自治体が合意 |
2013(平成25)年11月8日 | JR東日本が廃止届を提出 |
2014(平成26)年1月8日 | 廃止日繰り上げ届出 |
2014(平成26)年4月1日 | 【廃止】全線 |