国土地理院発行地形図5万分の1地形図(大館)(S55.11.30発行)を引用 |
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小坂鉱山からの産出物の搬出は馬車に頼っていたが、明治30年代から業績が上がり、架空索道が建設されたものの、年々激増する貨物を消化できなくなり鉄道を建設することになった。 1906(明治39)年11月30日に小坂〜大館間の鉄道敷設免許を取得すると既に大館〜茂内〜二ツ屋(長木沢)間で運行されていた森林鉄道を譲受けこの路盤を流用することとして茂内〜小坂間は新たに工事を開始、1908(明治41)年9月15日に軌間762mmの小坂鉱山専用鉄道が開通した。これは皇太子(後の大正天皇)が小坂鉱山へ視察に立ち寄る一週間であった。翌1909(明治42)年1月に小坂鉄道株式会社が設立され、小坂鉱山から専用鉄道を譲り受けて同年5月7日に地方鉄道として運輸営業を開始した。貨物は小坂鉱山から産出される精鉱と製錬所で製錬された商品が主力であったが藤田組長木沢製材所や官営代野製材所で加工された木材、煙害により切りだされた長木沢の天然杉も全国へ輸送された。これらの輸送により大館駅の旅客貨物収入は1909年より県内一位となり1919年まで続いた。 1928(昭和3)年には24.8‰の急勾配がある茂内〜小坂間を鉱山の発電所の余剰電力で電化、1949(昭和24)年には小雪沢〜茂内間を電化した。 1958(昭和33)年に小坂鉄道は同和鉱業に吸収合併され、同社の小坂鉄道事業所となった。 1962(昭和37)年、全線の軌間を1,067mmに改軌するとともに、電気運転を廃止した。762mm軌間時代は非電化区間では蒸気機関車、電化区間で電気機関車が使用されていたが、改軌とともに客貨分離と全線の内燃動力化(ディーゼル動力化)が行われた。 1989(平成元)年に同和鉱業から小坂製錬が分離され、同社の小坂線となり、1994(平成6)年10月1日には旅客営業が廃止された。そして2008(平成20)年に濃硫酸輸送がトラックに切り替えられたため、3月に貨物列車の運転を終了、同年9月18日に東北運輸局に鉄道事業廃止届出を提出し、2009(平成21)年4月1日に全線が廃止された。 (wikipediaより) |
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1.大館駅〜深沢駅 2.茂内駅〜小坂駅 3.長木沢支線(茂内駅〜長木沢駅) 4.小坂鉱山専用線(仮称)(小坂駅〜小坂鉱山) |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
所在地 | 開業年月日 | 備考 | ||
(漢字表記) | (よみ) | ||||||
大館駅 | おおだて | - | 0.0 | 秋 田 県 |
大館市 | 1909(明治42)年5月7日 | |
岱野駅 | たいの | 2.9 | 2.9 | 1909(明治42)年5月7日 | 1994年10月1日廃止 | ||
東岱野駅 | ひがしたいの | 1.3 | 4.2 | 1970(昭和45)年11月1日 | 1994年10月1日廃止 | ||
(小雪沢駅) | (こゆきさわ) | ? | ? | 1915(大正4)年10月20日 | 1961年10月1日廃止 | ||
雪沢温泉駅 (旧・雪沢鉱泉駅) | ゆきさわおんせん | 4.3 | 8.5 | 1954(昭和29)年8月1日 | 1994年10月1日廃止 | ||
新沢駅 | しんさわ | 1.9 | 10.4 | 1927(昭和2)年12月25日 | 1994年10月1日廃止 | ||
深沢駅 | ふかさわ | 2.3 | 12.7 | 1971(昭和46)年11月10日 | 1994年10月1日廃止 | ||
茂内駅 | しげない | 1.2 | 13.9 | 1909(明治42)年5月7日 | 長木沢支線が分岐していたが 1951年4月5日に廃止 |
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篭谷駅 | かごや | 1.8 | 15.7 | 1956(昭和31)年2月1日 | 1994年10月1日廃止 | ||
古館駅 | ふるだて | 5.8 | 21.5 | 鹿角郡 小坂町 |
1985(昭和60)年10月1日 | 1994年10月1日廃止 | |
小坂駅 | こさか | 1.8 | 23.3 | 1909(明治42)年5月7日 |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
所在地 | 開業年月日 | 備考 | ||
(漢字表記) | (よみ) | ||||||
茂内駅 | しげない | - | 0.0 | 秋 田 県 |
北秋田郡 長木村 |
1909(明治42)年5月7日 | |
長木沢駅 | ながきさわ | 3.8 | 3.8 | 1909(明治42)年5月7日 | 1920(大正9)年5月1日 に二ツ屋駅より改称 |
1908(明治41)年2月16日 | 仮免許状下付(鹿角郡小坂村〜北秋田郡大館村間、北秋田郡長木村字茂内屋敷〜同郡同村字二ツ屋間) |
1908(明治41)年9月15日 | 藤田組(DOWAホールディングスの前身)が大館〜小坂間、茂内〜二ツ屋(後の長木沢)間に小坂鉱山専用鉄道(軌間762mm)年を開設。 |
1909(明治42)年1月25日 | 小坂鉄道株式会社が設立。 |
1909(明治42)年4月13日 | 本免許状下付 |
1909(明治42)年5月7日 | 専用鉄道を改修し、小坂鉄道小坂線・長木沢支線として一般営業を開始。大館駅、岱野駅、茂内駅、小坂駅、二ツ屋駅(後の長木沢駅)年が開業。 |
1915(大正4)年10月20日 | 小雪沢駅が開業。 |
1926(大正15)年7月31日 | 長木沢支線 旅客営業と手荷物、小口扱い貨物の取扱いを廃止。 |
1927(昭和2)年12月25日 | 新沢駅が開業。 |
1928(昭和3)年1月15日 | 茂内〜小坂間が電化。 |
1949(昭和24)年12月10日 | 小雪沢〜茂内間が電化。 |
1951(昭和26)年4月5日 | 長木沢支線の茂内〜長木沢間が廃止。かわりに長木沢駅で接続していた長木沢森林鉄道が茂内駅まで路線を延長する。 |
1954(昭和29)年8月1日 | 雪沢鉱泉駅が開業。 |
1956(昭和31)年2月1日 | 篭谷駅が開業。 |
1958(昭和33)年2月1日 | 小坂鉄道が同和鉱業へ吸収合併され、同社の小坂鉄道事業所となる。 |
1961(昭和36)年10月1日 | 小雪沢駅が廃止。 |
1962(昭和37)年10月1日 | 全線の軌間を1,067mmに改軌するとともに、電気運転を廃止。 |
1970(昭和45)年11月1日 | 東岱野駅が開業。 |
1971(昭和46)年10月1日 | 雪沢鉱泉駅が雪沢温泉駅に改称。 |
1971(昭和46)年11月10日 | 深沢駅が開業。 |
1985(昭和60)年10月1日 | 古館駅が開業。 |
1988(昭和63)年12月1日 | 旅客列車のワンマン運転を開始。 |
1989(平成元)年10月1日 | 同和鉱業から小坂製錬が分離され、同社の小坂線となる。 |
1994(平成6)年10月1日 | 旅客営業を廃止し、貨物専業の鉄道となる。岱野駅、東岱野駅、雪沢温泉駅、新沢駅、深沢駅、篭谷駅、古館駅が廃止。 |
2004(平成16)年11月9日 | 14時ごろ、旧雪沢温泉駅付近で15両編成の濃硫酸を積んだ大館行き貨物列車が走行中に11両が脱線。濃硫酸の漏出はなかったほか、負傷者もなかった。なお、濃硫酸の抜き取りは同月25日までに終了した。 |
2006(平成18)年1月14日 | 10時30分ごろ、12両編成の濃硫酸を積んだ貨物列車が線路上に積もった雪に突っ込み先頭の機関車が脱線。濃硫酸の漏出はなかったほか、負傷者もなかった。 |
2008(平成20)年3月4日 | 列車による濃硫酸の出荷が終了。翌5日にタンク車返却。 |
2008(平成20)年3月12日 | 小坂駅留置の貨車の廃車回送を行い、これをもって列車の運行を終了。 |
2008(平成20)年9月18日 | 東北運輸局に鉄道事業廃止を届出。 |
2009(平成21)年4月1日 | 全線が廃止。 |
2014(平成26)年3月24日 | 廃線跡の小坂町に所在するレール跡の敷地・橋梁・踏切、および駅舎と車両を小坂町に無償譲渡し、旧小坂駅構内の土地を小坂町と賃貸契約する。 |
2014(平成26)年4月1日 | 廃線跡の大館市に所在する敷地・建物を大館市に無償譲渡する。 |