(概要) 北リアス線(きたリアスせん)は、岩手県宮古市の宮古駅と久慈市の久慈駅とを結ぶ三陸鉄道の鉄道路線である。 気仙沼線・大船渡線・三陸鉄道南リアス線・山田線・八戸線とともに三陸縦貫線を構成する路線の一つである。海に近い所を走っているが、ほとんどの区間を長大トンネルで抜けているため、海が見える箇所は駅の近くなどに限られる。 (歴史) 改正鉄道敷設法別表第6号に規定する予定線「岩手県久慈ヨリ小本ヲ経テ宮古ニ至ル鉄道」であり、宮古〜田老間は1972(昭和47)年に国鉄宮古線(みやこせん)として、普代〜 久慈間は1975(昭和50)年に国鉄久慈線(くじせん)として開業した。しかし、国鉄再建法により既開業区間は第1次特定地方交通線に指定され、日本鉄道建設公団が建設中であった田老〜普代間は工事が中断されたが、岩手県などが中心になって設立した第三セクター三陸鉄道が既開業区間も合わせて引き受けることになって工事を再開、1984(昭和59)年4月1日、宮古線・久慈線の三陸鉄道への転換と同時に開業し、同社の北リアス線として全通した。 また、東日本旅客鉄道(JR東日本)の岩泉線は本路線の小本に接続する計画の予定線で、旧称を小本線といい、岩泉〜小本間に国鉄バスが運行されていた(現在は岩泉自動車運輸・岩手県北自動車が運行している)が、結局着工されなかった。 |
宮古駅の東側より撮影。 手前左が三陸鉄道リアス線で、奥右が山田線。 (2019年7月13日(土)撮影) |
旧 名 称 |
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
所在地 | 開業年月日 | ||
(漢字表記) | (よみ) | ||||||
国 鉄 久 慈 線 |
久慈 | くじ | - | 0.0 | 岩 手 県 |
久慈市 | 1930(昭和5)年3月27日 ※八戸線の駅として |
陸中宇部 | りくちゅううべ | 7.7 | 7.7 | 1975(昭和50)年7月20日 | |||
陸中野田 | りくちゅうのだ | 1.7 | 11.1 | 九戸郡 野田村 |
1975(昭和50)年7月20日 | ||
十府ヶ浦海岸 | とふがうらかいがん | 2.3 | 12.8 | 2017(平成29)年3月25日 | |||
野田玉川 | のだたまがわ | 4.0 | 15.1 | 1975(昭和50)年7月20日 | |||
堀内 | ほりない | 4.5 | 19.6 | 下閉伊郡 普代村 |
1975(昭和50)年7月20日 | ||
白井海岸 | しらいかいがん | 3.1 | 22.7 | 1984(昭和59)年12月22日 | |||
普代 | ふだい | 3.4 | 26.1 | 1975(昭和50)年7月20日 | |||
(新 線) |
田野畑 | たのはた | 9.3 | 35.4 | 下閉伊郡 田野畑村 |
1984(昭和59)年4月1日 | |
島越 | しまのこし | 2.2 | 37.6 | 1984(昭和59)年4月1日 | |||
岩手小本 | おもと | 8.3 | 45.9 | 下閉伊郡 岩泉町 |
1984(昭和59)年4月1日 | ||
摂待 | せったい | 3.6 | 49.5 | 宮古市 | 1984(昭和59)年4月1日 | ||
新田老 | しんたろう | 8.3 | 57.8 | 2020年(令和2)年5月18日 | |||
国 鉄 宮 古 線 |
田老 | たろう | 0.5 | 58.3 | 1972(昭和47)年2月27日 | ||
佐羽根 | さばね | 3.6 | 61.9 | 1972(昭和47)年2月27日 | |||
一の渡 | いちのわたり | 2.9 | 64.8 | 1972(昭和47)年2月27日 | |||
山口団地 | やまぐちだんち | 4.6 | 69.4 | 2010(平成22)年10月16日 | |||
宮古 | みやこ | 1.6 | 71.0 | 1934(昭和9)年11月6日 ※山田線の駅として |
旧国鉄宮古線 | |
1972(昭和47)年2月27日 | 【開業】宮古線 宮古〜田老(12.8km)旅客営業のみ 【駅新設】一の渡、佐羽根、田老 |
1981(昭和56)年9月18日 | 第1次特定地方交通線として廃止承認 |
1984(昭和59)年4月1日 | 【廃止・転換】日本国有鉄道→三陸鉄道 |
旧国鉄久慈線 | |
1975(昭和50)年7月20日 | 【開業】久慈線 久慈〜普代(26.0km)旅客営業のみ 【駅新設】陸中宇部、陸中野田、野田玉川、堀内、普代 |
1981(昭和56)年9月18日 | 第1次特定地方交通線として廃止承認 |
1984(昭和59)年4月1日 | 【廃止・転換】日本国有鉄道→三陸鉄道 |
北リアス線 | |
1984年(昭和59)年4月1日 | 転換・開業】三陸鉄道北リアス線 宮古〜久慈(71.0km)(【延伸開業・全通】田老〜普代(32.2km))【駅新設】摂待、小本、島越、田野畑 |
1984(昭和59)年12月22日 | 【駅新設】白井海岸 |
1986(昭和61)年7月26日 | 【臨時駅新設】十府ヶ浦(野田玉川〜陸中野田間。1994(平成6)年までの夏季のみ開設) |
1987(昭和62)年3月22日 | 国鉄山田線・大船渡線との定期列車による直通運転を開始。 |
2010(平成22)年10月16日 | 山口団地駅を新設。 |
2011(平成23)年3月11日 | 全線が東北地方太平洋沖地震による災害で不通、津波で島越駅が流出するなど大きな被害を受ける。 |
2011(平成23)年3月16日 | 陸中野田〜久慈間が営業再開、同区間で復興支援列車の運転を開始。 |
2011(平成23)年3月20日 | 宮古〜田老間が営業再開。 |
2011(平成23)年3月29日 | 田老〜小本間が営業再開。 |
2012(平成24)年4月1日 | 田野畑〜陸中野田間が営業再開。これにより、未再開駅は島越駅のみとなる。 |
2014(平成26)年4月6日 | 小本〜田野畑間が営業再開。 |
2015(平成27)年12月23日 | 小本駅が岩泉小本駅に改称。 |
2017(平成29)年3月25日 | 十府ヶ浦海岸駅を新設。 |
2019(平成31)年3月23日 | 山田線の釜石〜宮古間がJR東日本から三陸鉄道へ移管され、移管区間・南リアス線を含めた久慈〜盛間をリアス線に改称。 |