◆JR仙山線(宮城県・山形県)◆

◆2012年6月23日(土)、2015年9月19日(土)、10月17日(土)、11月14日(土)撮影
(概要)
 仙山線(せんざんせん)は、宮城県仙台市青葉区の仙台駅から山形県山形市の羽前千歳駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。

(歴史)
 1922(大正11)年に制定された改正鉄道敷設法別表第20号前段に規定する仙台と山形を短絡する鉄道である。 第46回帝国議会で路線承認されて1923(大正12)年の着工が決定されたが、関東大震災が発生したため着工が延期となった。その後、1926(大正15)年4月に宮城県側が仙山東線(せんざんとうせん)として着工し、1929(昭和4)年に開業するが、山形県側の仙山西線(せんざんさいせん)は終端駅問題によって着工が遅れ、1932(昭和7)年9月にようやく着工。1937(昭和12)年11月に全通して両線は1つの路線として仙山線と改称された。
 宮城県と山形県の県境区間には、全長5,361mの仙山トンネルがあり、この長大トンネルを克服するため作並〜山寺間は開業当初から直流電化されていたが、1955(昭和30)年に日本初の交流電化が行われ、各種の試験が実施された。1960(昭和35)年に山形県側の直流電化区間が山形まで延長されたが、1968(昭和43)年に作並〜山形間も交流電化に切り替えられている。 当初より、仙台〜山形間の都市間連絡を目的とした幹線鉄道であったため、駅間が長かった。1980年代中頃から、地域輸送の充実を目的として仙台〜愛子間を中心に新駅が設置されている。これは、仙台市都心部の交通渋滞悪化などにより、定時性のある鉄道での通勤通学需要が起こり、また沿線の宅地化で新駅設置しても採算が取ることが出来るようになったためである。
 仙山線の当初の目的である両都市間の輸送はもとより、途中駅から仙台・山形両方面へ向かう乗客もおり、引き続き都市間連絡路線としての役割を担い続けている。また、冬季の運休が多く見られる山形新幹線のバイパス路線としても機能している(山形新幹線は大雪や強風での運休が多く、仙山線は大雪の運休が少ないため)ということもあり、再び仙山線における仙台〜山形間通しでの利用客は増加傾向にある。また2004年から東北・山形自動車道経由で仙台〜山形間を結ぶ高速バスとの競争が激化しているが、近年は原油価格高騰によるバス運賃の値上げでJRの方が運賃が安くなっている(2012年現在)。
 休日は主に山寺駅や作並駅を利用する客が多く見られ、また冬季はスキー場へのアクセスとして面白山高原駅の利用も多く見られる(1937年の全通時に、宮城県側の八森スキー場(既に廃止)および山形県側の面白山高原スキー場へのアクセス駅が各々設置された)。
 
仙台駅7番ホーム端にあるゼロキロ標
(2012年6月23日(土)撮影)

羽前千歳駅付近の奥羽本線(左)と仙山線(右)の分岐点。
(2015年9月19日(土)撮影)

東北本線(左)と仙山線(右)の分岐点(1)
いったん右に分岐して、写真中央に見える緑色の跨線橋で東北本線の線路をオーバーバスします。
(2016年9月6日(火)撮影)

東北本線(左)と仙山線(右)の分岐点(2)
写真中央にある緑色の跨線橋が仙山線。
(2016年9月6日(火)撮影)
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
所在地 開業日
(漢字表記) (よみ)
仙台駅 せんだい - 0.0

仙台市
青葉区
1887(明治20)年12月15日
※東北本線の駅として
東照宮駅 とうしょうぐう 3.2 3.2 1988(昭和63)年11月18日
北仙台駅 きたせんだい 1.6 4.8 1929(昭和4)年9月29日
北山駅 きたやま 1.7 6.5 1984(昭和59)年2月1日
東北福祉大前駅 とうほくふくしだいまえ 1.0 7.5 2007(平成19)年3月18日
国見駅 くにみ 1.1 8.6 1984(昭和59)年2月1日
葛岡駅 くずおか 1.5 10.1 1991(平成3)年3月16日
陸前落合駅 りくぜんおちあい 2.6 12.7 1929(昭和4)年9月29日
愛子駅 あやし 2.5 15.2 1929(昭和4)年9月29日
陸前白沢駅 りくぜんしらさわ 5.4 20.6 1931(昭和6)年8月30日
熊ヶ根駅 くまがね 3.1 23.7 1931(昭和6)年8月30日
(臨)西仙台ハイランド駅(廃止) にしせんだいはいらんど 1.6 25.3 1987(昭和62)年3月21日
廃止:2014(平成26)年3月15日
作並駅 さくなみ 3.4 28.7 1931(昭和6)年8月30日
(臨)八ツ森駅(廃止) やつもり 2.1 30.8 1937(昭和12)年11月10日
廃止:2014(平成26)年3月15日
奥新川駅 おくにっかわ 3.0 33.8 1937(昭和12)年11月10日
※奥新川直流変電所跡
面白山信号場 おもしろやましんごうじょう - 41.5

山形市 1937(昭和12)年11月10日
面白山高原駅 おもしろやまこうげん 8.7 42.5 1987(昭和62)年4月1日
山寺駅 やまでら 6.2 48.7 1933(昭和8)年10月17日
高瀬駅 たかせ 3.7 52.4 1950(昭和25)年7月1日
楯山駅 たてやま 2.5 54.9 1933(昭和8)年10月17日
羽前千歳駅 うぜんちとせ 3.1 58.0 1933(昭和8)年10月17日

年表
1929(昭和4)年9月29日 【開業】仙山東線仙台〜愛子間(15.2km) 【駅新設】北仙台、陸前落合、愛子
1931(昭和6)年8月30日 【延伸開業】愛子〜作並間(13.5km) 【駅新設】陸前白沢、熊ヶ根、作並
1933(昭和8)年10月17日 【開業】仙山西線羽前千歳〜山寺間(9.3km) 【駅新設】楯山、山寺
1936(昭和11)年1月28日 山寺〜面白山高原間の森岡鉄橋付近で発生した雪崩の影響で橋桁崩落、猛吹雪のため見通しが悪く仙山線建設作業員(62名)を乗せた列車が川に転落した(死亡1名。負傷者多数)。
1937(昭和12)年11月10日 【延伸開業・全通】作並〜山寺間(20.0km) 【線名改称】仙山線仙台〜羽前千歳間 【電化】作並〜山寺間(直流1500V) 【駅新設】奥新川 【信号場新設】面白山 【仮乗降場新設】八ツ森、面白山
1950(昭和25)年7月1日 【駅新設】高瀬
1955(昭和30)年8月10日 【電化】陸前落合〜熊ヶ根間(交流20kV・50Hz。交流電化試験線)
1957(昭和32)年9月5日 【電化】仙台〜陸前落合間、熊ヶ根〜作並間(交流20kV・50Hz。仙台〜作並間交流電化の営業運転開始)ED45(ED91)型機関車運転開始
1960(昭和35)年11月1日 【電化】山寺〜羽前千歳(〜山形)間(直流1500V) 準急「あさひ」「月山」運転開始
1963(昭和38)年10月1日 準急「仙山」運転開始
1966(昭和41)年3月5日 準急「あさひ」「月山」を急行化。
1968(昭和43)年9月8日 【電化方式変更】作並〜羽前千歳(〜山形)間(→交流20kV・50Hz)ED78型機関車運転開始
1968(昭和43)年10月1日 準急「仙山」を急行化
1971(昭和46)年 熊ヶ根駅無人化、交換設備撤去
1972(昭和47)年9月1日 特定都区市内制度が仙台市に導入され、市内にある当線上の仙台および北仙台にも適用。以後、市内新設駅および市域拡大の際に適用拡大。
1973(昭和48)年9月8日 愛子駅〜陸前白沢駅間の無人踏切で、動けなくなったトラックに急行「仙山1号」が衝突。列車は5両が脱線、うち1両が転覆。
1978(昭和53)年10月2日 ダイヤ改正、愛子に急行「仙山」停車
1982(昭和57)年5月1日 急行「あさひ」を「べにばな」に改称。
1982(昭和57)年11月15日 急行「仙山」を快速化。急行「月山」仙山線内廃止
1984(昭和59)年2月1日 【駅新設】北山、国見。愛子に3番線ホーム設置
1985(昭和60)年3月14日 CTC化。陸前落合、陸前白沢、作並、奥新川、楯山無人化(陸前落合、作並、奥新川はそれ以前から出改札中止)、急行「べにばな」仙山線内廃止、全列車電車化
1987(昭和62)年3月1日 北山、陸前落合に仙台駅から職員派遣(事実上の有人化)
1987(昭和62)年3月20日 国見に仙台駅から職員派遣
1987(昭和62)年3月21日 【臨時乗降場新設】西仙台ハイランド
1987(昭和62)年4月1日 【承継】東日本旅客鉄道(第一種)・日本貨物鉄道(第二種) 【臨時乗降場→臨時駅】西仙台ハイランド 【仮乗降場→臨時駅】八ツ森、面白山
1987(昭和62)年6月20日 国見、列車交換設備供用開始
1987(昭和62)年11月1日 宮城郡宮城町が仙台市に編入合併され、当線の宮城県側区間が総て仙台市内となる。
1988(昭和63)年3月13日 【臨時駅→駅・駅名改称】面白山→面白山高原
1988(昭和63)年11月18日 【駅新設】東照宮
1990(平成2)年3月10日 719系運用開始
1990(平成2)年9月1日 急行「津軽」を山形新幹線工事に伴い仙山線経由に変更
1991(平成3)年3月16日 【駅新設】葛岡
1991(平成3)年8月27日 山形新幹線工事に伴う特急「つばさ」の迂回運転開始
1992(平成4)年7月1日 山形新幹線開業により、特急「つばさ」の迂回運転終了
1993(平成5)年12月1日 急行「津軽」廃止
1994(平成6)年9月30日 豪雨(大雨)により、奥新川駅〜面白山信号所間の盛土が約100mにわたり流失したため、長期運休。
1994(平成6)年11月28日 9月30日に発生した盛土流出の復旧工事が終了、運転再開した。
1996(平成8)年3月16日 高速貨物列車(仙台〜山形)運行休止
1998(平成10)年10月 専用貨物列車(仙台〜蔵王、漆山)運行休止
1999(平成11)年12月 山形新幹線新庄延伸。羽前千歳までの複線区間が標準軌と狭軌が併走することになる
2001(平成13)年4月1日 休日の快速「仙山」を「ホリデー仙山」とする
これまで仙台〜山形間で快速列車として運用されていた455系が朝のラッシュなどの対応のため撤退し、これまで主に東北本線で運用されてきた719系へ切り替えられ、ほぼ全ダイヤで719系が運用されるようになる
2001(平成13)年12月1日 日本全国で初めてATS-SNの拡張版であるATS-Psが仙台〜愛子間で使用開始
2002(平成14)年4月1日 【第二種鉄道事業廃止】全線(日本貨物鉄道)
2004(平成16)年3月13日 すべての快速列車が面白山高原停車となる
2004(平成16)年10月16日 快速「仙山」「ホリデー仙山」の愛称廃止。この改正で快速列車の停車駅に新たに国見・陸前落合・羽前千歳が加わる
2007(平成19)年3月18日 【駅新設】東北福祉大前。同日のダイヤ改正で2本あった東北本線の直通列車は消滅(すべて仙台発着)
2007(平成19)年4月23日 仙山線の一部列車にE721系導入
2011(平成23)年3月11日 東北地方太平洋沖地震発生により全線にわたり不通。
2011(平成23)年4月11日 山寺〜山形間で運転再開。
2011(平成23)年4月14日 仙台〜愛子間で運転再開。
2011(平成23)年4月23日 愛子〜山寺間で運転再開し、全線復旧。
2012(平成24)年3月17日 面白山高原駅に停車していた快速が一部をのぞいて同駅通過に。
wikipediaより参照
TOP旅の記録路線各駅巡礼写真のページ>JR仙山線(宮城県・山形県)