◆JR仙石線(宮城県)◆

◆2012年6月23日(土)、2013年9月14日(土)、2013年11月22日(金)、2017年2月18日(土)撮影
(概要)
 仙石線(せんせきせん)は、宮城県仙台市青葉区のあおば通駅から仙台駅を経由し宮城県石巻市の石巻駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。このほか、陸前山下駅〜石巻港駅間の日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物支線を持つ。 2011(平成23)年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)および付随する津波の被害を受けて、2012年(平成24)年3月現在高城町駅〜陸前小野駅間が不通となっている

(歴史)
 
仙石線は私鉄である宮城電気鉄道(1922(大正11)年設立)が、松島へ観光客を誘致する目的に敷設した私鉄路線で、1925(大正14)年から順次開通させ、1928(昭和3)年に石巻まで全通。太平洋戦争中の1944(昭和19)年には、沿線にあった軍需工場への通勤・貨物輸送を国家主導で効率よく行う観点と、改正鉄道敷設法(1922年制定)の「81.宮城縣松島ヨリ石巻ヲ經テ女川ニ至ル鐡道」の一部を担う路線であったことから戦時買収の対象になり国有化された。戦後の1987(昭和62)年の国鉄分割民営化によりJR東日本の路線となった。JR東日本が保有する営業路線の中では東北地方唯一、JRグループでは日本最北の直流電化路線である。宮城電気鉄道として開業した当初から1500Vの直流電化がされていたため、交流電化されている仙台地区のほかのJRの路線(東北本線、仙山線、常磐線など)とは分離された路線である。
 高度成長期には仙台市周辺でも人口が増加、沿線の市街化と利用客の増加がみられるようになったことから、仙石線でも新駅の設置や路線の改良が行われることとなった。1981(昭和56)年に中野栄駅新設、西塩釜〜東塩釜間の高架・複線化と駅移設、1987(昭和62)年に東矢本駅新設、1991(平成3)年に宮城野電車区開設、2004(平成16)年には小鶴新田駅が新設された。 仙台〜苦竹間については、仙台駅付近が曲線が多い蛇行線形になっていたほか、踏切による交通渋滞問題が発生していたため、連続立体交差化が行われた。この事業では、1985(昭和60)年に着工された仙台トンネルが2000(平成12)年に完成、地下化によって14の踏切が解消された。この際には路線の直線化によって距離が短縮されるとともに、あおば通駅が新設されて仙台駅以西に延伸開業した。

松島海岸〜高城町間にある仙石線(左)と東北本線(右)の合流点を列車内より撮影。
(2018年4月22日(日)撮影)

仙石線と石巻線の分岐点。
奥の架線があるのが電化された仙石線。手前が非電化の石巻線。
(2013年9月14日(土)撮影)
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
所在地 開業日
(漢字表記) (よみ)
あおば通駅あおばどおり - 0.0

仙台市
青葉区
2000(平成12)年3月11日
仙台駅せんだい 0.5 0.5 1887(明治20)年12月15日
榴ヶ岡駅つつじがおか 0.8 1.3 1925(大正14)年6月5日
宮城野原駅みやぎのはら 1.1 2.4 1926(大正15)年1月1日
陸前原ノ町駅りくぜんはらのまち 0.8 3.2 1925(大正14)年6月5日
苦竹駅にがたけ 0.8 4.0 1928(昭和3)年5月15日
小鶴新田駅こづるしんでん 1.6 5.6 2004(平成16)年3月13日
宮城野信号場みやぎのしんごうじょう - 6.8 1991(平成3)年3月9日
福田町駅ふくだまち 2.1 7.7 1925(大正14)年6月5日
陸前高砂駅りくぜんたかさご 0.9 8.6 1925(大正14)年6月5日
中野栄駅なかのさかえ 1.7 10.3 1981(昭和56)年4月1日
多賀城駅たがじょう 2.3 12.6 多賀城市 1925(大正14)年6月5日
下馬駅げば 1.8 14.4 1932(昭和7)年8月1日
西塩釜駅にししおがま 0.8 15.2 塩竈市 1925(大正14)年6月5日
本塩釜駅ほんしおがま 0.8 16.0 1926(大正15)年4月14日
東塩釜駅ひがししおがま 1.2 17.2 1927(昭和2)年4月18日
陸前浜田駅りくぜんはまだ 3.1 20.3 宮城郡
利府町
1927(昭和2)年4月18日
松島海岸駅まつしまかいがん 2.9 23.2 宮城郡
松島町
1927(昭和2)年4月18日
高城町駅たかぎまち 2.3 25.5 1928(昭和3)年4月10日
手樽駅てたる 1.8 27.3 1928(昭和3)年4月10日
陸前富山駅りくぜんとみやま 1.3 28.6 1928(昭和3)年4月10日
陸前大塚駅りくぜんおおつか 2.2 30.8 東松島市 1928(昭和3)年4月10日
東名駅
(移転前)
(移転後)
とうな 1.6
→1.4
32.4
→32.2
1931(昭和6)年12月1日
野蒜駅
(移転前)
(移転後)
のびる 1.6
→1.2
34.0
→33.4
1928(昭和3)年4月10日
陸前小野駅りくぜんおの 3.2
→2.6
37.2
→36.0
1928(昭和3)年4月10日
鹿妻駅かづま 1.6 38.8
→37.6
1929(昭和4)年6月1日
矢本駅やもと 2.6 41.4
→40.2
1928(昭和3)年11月22日
東矢本駅ひがしやもと 1.4 42.8
→41.6
1987(昭和62)年3月31日
陸前赤井駅りくぜんあかい 1.5 44.3
→43.1
1928(昭和3)年11月22日
石巻あゆみ野駅 いしのまきあゆみの 2.1 45.2 2016(平成28)年3月26日
蛇田駅へびた 1.4 47.8
→46.6
石巻市 1928(昭和3)年11月22日
陸前山下駅りくぜんやました 1.0 48.8
→47.6
1939(昭和14)年2月1日
石巻駅いしのまき 1.4 50.2
→49.0
1912(大正元)年10月28日

年表
1925(大正14)年6月5日 宮城電気鉄道が仙台〜西塩釜間を開業。宮電仙台・東七番丁・榴ヶ岡・陸前原ノ町・福田町・陸前高砂・多賀城・西塩釜の各駅新設。
1926(大正15)年1月1日 宮城野原駅を新設。
1926(大正15)年4月14日 西塩釜〜本塩釜を延伸開業、本塩釜駅を新設。
1927(昭和2)年4月18日 本塩釜〜松島公園(現在の松島海岸)間を延伸開業。東塩釜・浜田・松島公園の各駅を新設。
1928(昭和3)年4月10日 松島公園〜陸前小野間を延伸開業、小石浜遊園・新富山・高城町・手樽・陸前富山・大塚・野蒜・陸前小野の各駅を新設。
1928(昭和3)年5月15日 新田駅を新設。
1928(昭和3)年11月22日 陸前小野〜石巻間を延伸開業し仙台〜石巻間全通。矢本・陸前赤井・蛇田・石巻の各駅を新設。
1929(昭和4)年6月1日 鹿妻駅を新設。
1931(昭和6)年10月23日 野蒜を東北須磨に駅名改称。
1931(昭和6)年12月1日 大塚停留場を仙台方面に1km移設。東名駅を新設。
1932(昭和7)年1月8日 石巻を宮電石巻に駅名改称。
1932(昭和7)年8月1日 下馬信号所を駅に変更。
1939(昭和14)年2月1日 宮電山下駅を新設。
1939(昭和14)年11月7日 宮電山下〜釜(現在の石巻港)間の貨物線を開業。
1943(昭和18)年2月8日 苦竹駅開業届出。
1944(昭和19)年5月1日 宮城電気鉄道が国有化され仙石線と線路名称制定。宮電仙台を仙台に、東七番丁を仙台東口に、西塩釜を西塩竈に、本塩釜を本塩竈に、東塩釜を東塩竈に、浜田を陸前浜田に、松島公園を松島海岸に、富山を陸前富山に、大塚を陸前大塚に、東北須磨を野蒜に、宮電山下を陸前山下に、宮電石巻を石巻にそれぞれ駅名改称。新田・小石浜遊園・新富山の各駅を廃止。
1945(昭和20)年6月10日 陸前富山・陸前大塚・鹿妻の各駅を休止。
1946(昭和21)年6月10日 陸前富山・陸前大塚・鹿妻の各駅を再開。
1952(昭和27)年6月1日 地下区間の仙台〜仙台東口間を休止。
1952(昭和27)年9月26日 仙台〜仙台東口間を廃止。仙台東口を仙台に駅名改称。
1953(昭和28)年7月20日 釜〜石巻港間の貨物線を開業。
1956(昭和31)年10月1日 仙石線管理所発足。
1957(昭和32)年 快速列車の設定開始。
1957(昭和32)年6月6日 陸前山下〜釜の電気運転を廃止。
1959(昭和34)年9月 石巻〜仙台間快速電車運行開始。
1963(昭和38)年5月25日 西塩竈を西塩釜に、本塩竈を本塩釜に、東塩竈を東塩釜にそれぞれ駅名改称。
1966(昭和41)年1月20日 陸前原ノ町〜福田町間の「苦竹高架」完成、高架化。
1968(昭和43)年2月23日 福田町〜多賀城間を複線化。
1968(昭和43)年3月19日 陸前原ノ町〜福田町間を複線化。
1968(昭和43)年10月11日 釜〜石巻埠頭間の貨物線を開業。
1969(昭和44)年9月26日 多賀城〜西塩釜間を複線化。
1969(昭和44)年10月 石巻〜仙台間50分台の特別快速電車運行開始。
1971(昭和46)年4月1日 仙石線管理所廃止、陸前原ノ町電車区および陸前原ノ町車掌区発足。釜〜石巻港の貨物線を廃止。
1972(昭和47)年3月15日 釜を石巻港に駅名改称。
1972(昭和47)年8月18日 塩竈市越ノ浦の仙石線の無人踏切で、仙台発石巻行き下り電車にダンプカーが衝突、1両目が脱線して松島湾に突っ込む(死者2名、重軽傷46名)。
1975(昭和50)年2月1日 「新型電車導入」記念乗車券発行。
1975(昭和50)年2月15日 72系アコモデーション改良車導入。
1975(昭和50)年3月 出札合理化により榴ヶ岡・宮城野原・苦竹・福田町・陸前高砂・下馬・西塩釜・東塩釜・高城町の各駅で出札窓口閉鎖。仙台・石巻両駅に乗継出札口を設置。
1979(昭和54)年10月1日 103系導入。
1981(昭和56)年4月1日 中野栄駅を新設。
1981(昭和56)年11月1日 西塩釜〜東塩釜間を高架・複線化。本塩釜・東塩釜の両駅を移転。
1983(昭和58)年6月15日 陸前原ノ町車掌区を廃止し仙台車掌区に統合。
1983(昭和58)年9月20日 多賀城〜石巻間にCTCを導入。あわせて東塩釜駅構内にCTCセンターを設置したほか、通票授受が廃止。
1983(昭和58)年10月2日 休日ダイヤ実施・線内最高速度が85km/h→95km/hに引き上げ。
1987(昭和62)年3月31日 東矢本駅を新設。
1987(昭和62)年4月1日 国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道(第一種)・日本貨物鉄道(第二種)が承継。
1988(昭和63)年3月13日 ダイヤ改正に際して、快速列車に「うみかぜ」の愛称を命名。陸前大塚駅交換設備使用開始。
1990(平成2)年7月21日 石巻駅駅舎を石巻線の駅舎と統合。
1991(平成3)年3月9日 宮城野信号場を新設。
1991(平成3)年3月15日〜 陸前原ノ町電車区閉所、宮城野電車区へ移転。
1999(平成11)年11月1日 石巻港〜石巻埠頭間の貨物線を廃止。
2000(平成12)年3月11日 仙台〜陸前原ノ町間を地下化、あおば通〜仙台を延伸開業。
2000(平成12)年3月20日 CTCセンターを宮城野総合事務所内に移設。併せてあおば通〜中野栄間もCTCを導入。
2000(平成12)年6月25日 野蒜〜陸前小野間の鳴瀬川橋梁架け替え工事完成。
2002(平成14)年11月5日 205系3100番台導入。
2003(平成15)年10月1日 宮城野運輸区発足。
2004(平成16)年3月13日 小鶴新田駅を新設。
2004(平成16)年7月 103系運行終了。RT235編成は予備車として郡山駅構内に留置(2007年3月に復帰)。
2004(平成16)年10月16日 快速列車「うみかぜ」の愛称廃止。平日・土曜休日の時刻表を一本化。
2009(平成21)年10月21日 103系RT235編成が運行を終了。
2009(平成21)年11月29日 多賀城駅上り線を高架化。
2011(平成23)年3月11日 東北地方太平洋沖地震およびそれによる津波の被害で全線不通となる。
2011(平成23)年3月28日 あおば通〜小鶴新田間で運転再開。
2011(平成23)年4月5日 東北本線松島駅に接続する形で、松島〜石巻間で仙石線経由の代行バス運転開始。
2011(平成23)年4月7日 東北地方太平洋沖地震の余震により再び全線で不通となる。
2011(平成23)年4月15日 余震により不通となっていた、あおば通〜小鶴新田間の運転を再開。
2011(平成23)年4月19日 小鶴新田〜東塩釜間の運転を再開。代行バス区間を東塩釜〜石巻間に変更。
2011(平成23)年5月28日 東塩釜〜高城町間の運転を再開。
2011(平成23)年7月16日 矢本〜石巻間の運転を再開。同区間は気動車が使用される。
2011(平成23)年10月10日 あおば通〜東塩釜間の保安装置をATACS化。
2012(平成24)年3月17日 陸前小野〜矢本間の運転を再開。
2012(平成24)年4月8日 多賀城駅下り線を高架化、これにより多賀城駅周辺は上下線で高架化が完了した(多賀城駅の3番線は未開通)。
wikipedia(仙石線)wikipedia(宮城電気鉄道)より参照
TOP旅の記録路線各駅巡礼写真のページ>JR仙石線(宮城県)